FC2ブログ

VISITEUR滞在・所得税・10年カードの申請・取得の関係は?

質問。
2012年4月15日に掲載された「ビジタービザでも、所得税を5年間払い、10年カードを申請することが可能なのでしょうか? 」への回答が非常に参考になりました。
現地駐在員の身分として不明な点が有り、お教えいただければ幸いです。ビジタービザで入国し、滞在許可証を1年ごとに更新して滞在しており、これまで日本からの給与の送金額を申告して所得税をフランスの税務署に支払っています。もし、日本で所得税を払っている場合、二重課税を無くすための日仏租税条約によって、フランスで支払う義務は無い様におもうのですが、いかがでしょうか?
滞在許可証更新時に所得・納税証明が必要とのことですが、日本で納税している証明書では駄目ということなのでしょうか。
お答え・見立て。
質問内容の要素を分けてお答え・見立てをしてみます。
①中断することなく、少なくとも連続して5年以上合法的に滞在した外国人はCARTE DE RESIDENT(10年カード)の申請資格を得る。これは、 CESEDA(外国人滞在管理法)のL314-8条の規定です。該当しないのは、学生滞在(ETUDIANT-ELEVE)、SALARIE EN MISSION滞在など数種です。VISITEUR滞在者は該当します。VISITEUR滞在者に「中断することなく、少なくとも連続して5年以上合法的に滞在した」実績があれば、CARTE DE RESIDENT(10年カード)の申請資格があります。以上は、申請資格です。発給される条件ではないので、混同されないよう。
②「所得税を5年間払えば」は、PARISのPREFECTURE DE POLICEの場合です。同PREFECTURE の現時点での「CARTE DE RESIDENT(10年カード)の発行規準、発行方針」といってよいでしょう。
④より正確にいえば、こうです。現在、同PREFECTUREが配布している「CARTE DE RESIDENT申請案内」(パンフレット)を見ますと、L314-8条の適用で申請するケースでは、提出必要書類として、
4(ou le cas echeant 5)derniers avis imposition(過去4年、場合によっては過去5年のavis imposition)
とあります。DECLARATION DE REVENU(所得申告)を経験している人はご存知でしょう。前年度のavis impositionが手元に届くのは翌年の8月中・下旬が一般的です。従って、申請時期によって過去5年分
提出出来る、4年分しか提出できない、がありましょう。そういう事情です。
⑤これは、SALARIE滞在であろうが、COMMERCANT滞在であろうが、PROFESSION LIBERALE滞在であろうが
VISITEUR滞在であろうが、滞在身分に関係なく提出を要求されています。
⑥そして、5年間所得税を払ってきたVISITEUR滞在にはCARTE DE RESIDENTが発行されている、という
厳然たる事実がある、ということです。当室の相談者(VISITEUR滞在)に分かりやすい事例があります。
5枚(5年間)のavis impositionのうち、滞在初年度のavis impositionが所得税ゼロでした。残りの4枚(4年間)は所得税が発生しています。「初年度でのゼロでも通るかもしれない。残りの4年はしっかり支払っているのだから」の楽観論で申請しました。結果は「もう1年待ちましょう」でした。翌年提出する5枚には、初年度のゼロは外れるということです。提出する5枚(5年間)全てが所得税を払っていることになります。
⑦ここで注釈を加えます。CARTE DE RESIDENTの発行条件は所得税を払っていること、だけではありません。「長期に滞在する目的は何か」もあります。例えば、子どものいる家庭では「子どもにフランスの教育を与えたい」が長期滞在目的としてありましょう。ところで、フランスの所得税の仕組みは家族数が大きく関係します。子どものいる家庭にあっては所得税が発生しにくい事情があります。「子どもの教育」を優先的に採用し、所得税を納めていないことには目をつぶってCARTE DE RESIDENTが発行されることはあり得ましょう。
また、他のPREFECTUREにあっては、過去3年間のavis imposition、過去1年のavis impositionの提出としていることもあり得ましょう。
最後に日仏租税条約(通称、二重課税回避条約)です。
⑧フランス国外(ここでは日本)で所得が発生し、その国(日本)で所得税を納めている場合は2047という申告用紙で所得申告をします。その国(日本)での所得(税)が控除され、所得税はゼロになりましょう(ここでは控除の詳細な仕組みには触れません)。このような2047申告による5枚のavis imposition(所得税税はゼロ)の提出でCARTE DE RESIDENTが発行されるかどうかはわかりませんが、パリの場合は不可の可能性が高いと見ます。CARTE DE RESIDENTは長期滞在者向けのものです。フランス国外で所得税を払っていますので、フランスで支払っていません、の半身のカマエでは不可と見ます。
⑨日仏租税条約の厳密な解釈からいっても、適応していません。同15条「日本で発生した給与の課税規定」によれば、1年365日の半数183日以上フランスに滞在している場合はフランス課税です。
滞在許可証を所持してフランス滞在しているのであれば、1年365日の半数183日以上フランスに滞在していると見做され、フランスで課税=日本では非課税が同条約の厳密な適用です。質問文面に「これまで日本からの給与の送金額を申告して所得税をフランスの税務署に支払っています」とありますが、
これは同条約15条に照らして「正解」といえましょう。
最終的・総合的結論はこうでしょう。とにかくフランスで所得税を支払っていればCARTE DE RESIDENTの申請・取得にはツヨイということでしょう。あれこれの事情や理由で情状酌量になることはあり得ましょうが、これは不確定要素といえましょう。ところで、今、所得税を支払っていればツヨイと記しましたが、「その額は問われないのですか」がありそうです。過去の事例から「相場としてはある」と見ています。
                       *
文脈の流れから、重要なことを忘れていました。土壇場で思いだしました。
CARTE DE RESIDENTの発行条件にSECURITE SOCIALEに加入していること、それが有効であること、があります。2011年6月Ⅰ6日法で追加になりました。VISITEUR滞在の場合はCMU加入です。これをつけ加えておきます。

2014年8月20日
滞在相談室  担当 岡本宏嗣

スポンサーサイト



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

okamotohirotsugu

Author:okamotohirotsugu
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR