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日本で発生した給与収入は、税制,社会保障制度上、どう扱うべきなのでしょうか。 

質問。パリ在住、2年有効の家族ビザを持っています。日本にある会社で日本で給与が出る仕事(連絡業務)を始めるところです。その給与は日本の銀行口座に振り込まれるため、フランスでは年1回、所得申告だけすればよいという意見と、AUTO ENTRERENEURとしてSECUも支払わないといけない、という意見があり、判断に迷っています。また、フランスにある会社からも時折り仕事があって、こちらは給与明細が出て、CHEQUEだったりフランスの銀行口座に振り込まれたりしています。こういう状況なのですが、どう判断すればよいのでしょうか。

お答え・見立て。                                 
(1)まず、滞在許可証のことです。「2年有効の家族ビザ」とありますが、正確には滞在許可証VIE PRIVEE ET FAMILIALE(以下VPF)で、その「2年もの」ということでしょう。PASSEPORT TALENTの第3項SALARIE EN MISSIONではないので、税制(REGIME FISCAL)、社会保障(REGIME SOCIAL)の両面でフランス制度が適用されましょう。

(2)次いで「フランスにある会社からも時折り仕事があって、こちらは給与明細が出て、CHEQUE払いだったり、フランスの銀行口座に振り込まれたりしています」とあります。 これは全く問題がありません。VPFの滞在身分は、SALAIRE(給与)(a)方式でもNON-SALAIRE(非給与)(b)方式でも収入を得ることができます。A社との仕事収入は(a)方式で、B社との仕事は(b)方式で、が可能です。                                                

(3)次ぎに「日本で発生する給与」です。所得申告では「フランス国外で発生した給与」(EUROに換算して)の申告になるでしょう。日本で源泉徴収されていれば、CIMRという算出式で回収できます。源泉徴収されていなければ、フランス国内収入と同じ扱いになります。

(4)最期に、(M(A)E)としてSECU・COTISATION SOCIALEを払う必要があるか、です。これは微妙な領域です。        

4-I。申告してSECU・COTISATION SOCIALE を払う場合。
(M(A)E)は、フランス国内、国外の区別がないようですから、FACTURE仕事として申告 (ユーロ換算して)し、SECU・COTISATION SOCIALEを支払います。

4-II。申告しない場合は、過去の事例から、様々です。
(a)いささかのトラブルも発生しない。  

(b)上記(3)の所得申告の際に、SECU・COTISATION SOCIALEが支払われていないことが捕捉されて、PRELEVEMENTS SOCIAUX(SECU税)17,20%が請求されたケースがあります。とりわけ、所得税が発生しない場合=所得税額算出式から所得税がゼロになった場合は、所得税に代わる税としてSECU税をかけてくるのでしょう。 

(c)これまでは何のトラブルもなかった((a)のケースです)のに、今年は「日本で発生した給与収入に対してSECU COTISATIONを払っていることを過去2(3)年間について証明してください」の通知が送られてきたケースがあります。

(5)M(A)EでのSECU保険料。            
SECUは国民社会保険です。その保険内容を大別すれば、              
①国民健康保険(病気・出産・労働不能・死亡・労災)。               
②国民年金保険。     
ここで、①は要、②は不要の選択はできません。①②込みで保険料(COTISATION)が課せられます。しかも②は高率です。  年金云々がまだ遠い世代にはピンと来ない、また年金制度に信頼が持てない作今の事情もありましょうが、確認はしておかねばなりません。フランスの年金は夫婦(PACS含む)別々です(日本の第3号被保険者(配偶者)制度はとられていません)。
自分の年金は自分で年金保険料を払わねばなりません。
ここで「日本で発生した収入」についての質問に立ち返ります。「SECU保険料は高いので,払わないで済むことなら避けたい」があります。誰もが「払いたくないSECU保険料」を(M(A)E)として支払えば、年金支払い期間(1年は4期としてカウント)は確保されましょう(フランスの年金は1期の支払いから有効です)。
先記4-IIで触れたように、運悪くPRELEVEMENTS SOCIAUX(SECU税)17,20%を徴収された場合、これはSECU一般税で、当人の個人的保険料には関係しません。年金保険の支払い期間としてもカウントされません。寄付金に近いですね。
以上から、ご判断ください。

2019年11月25日  相談室  岡本 宏嗣
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学生ビザから就労ビザへの切り替えについて、前例などから、、、、

学生ビザから就労ビザへの切り替えについて、前例などから助言いただければ幸いです。
質問。現在、在仏4年目、1年目はモード系専門学校(ディプロム取得)、2〜3年目はビジネススクールが経営している語学学校に通っており、DELF B2のディプロムも所有しています。
これ以上語学学校での更新も難しいかなと思っていたところに約2年前から働いている日本食レストランの社長から就労ビザの話をいただきました。ただ、料理人ではなくサービス・スタッフのために申請するのは初めてなのでビザが降りるか分からないと言っています。フランスでの飲食業サービス・スタッフとしてはもうすぐ3年の経験がありますが、料理関係のディプロムは所持していません。社長はフランス語が出来る日本人が必要な理由を見せるためにフランス語で流暢に日本の文化や料理を説明できる、丁寧な日本語で日本人観光客・出張者の接客・予約に従事できる等のレターの他に契約書に日本語予約・サービス担当のようなポストと書いても良いと言っています。
しかし、なかなか周りに語学学校からサラリエ・ビザへの切り替えをした人がいない、また通っていた専門学校は全く違う分野なので本当に上手くいくのだろうか、と不安になっています。
日本からの呼び寄せではなく、現地で語学学校からレストランでの就労ビザへの切り替えが成功した前例はありますでしょうか?また、例えば1週間程度の短いものでもウェイトレスの講習会などに参加して参加証明書のようなものを取得したほうが少しでもビザ切り替えの助けになりますでしょうか?

お答え・見立て。これは、学生滞在からSALARIEへの身分変更(CHANGEMENT DE STATUT D’ETUDIANT A SALARIE)ですね。「現地で語学学校からレストランでの(調理職ではなくサービス職)で就労ビザへの切り替えが成功した前例はありますでしょうか?」には「モノのハズミでパスした例しか知りません」 です。                                      
ここで「モノのハズミ」とは、期せずして申請のタイミングがよかった、ということです。例えばです。学生からSALARIEへの身分変更は年間〇〇〇〇〇件の許可件数枠があるとされているようです。たまたま、ある年度のある時期、当初の見込みより許可件数が少なかった。審査を厳しくし過ぎたのか、そもそも申請件数が少なかったのか、いずれにしても枠数に余裕があったので、通常であれば「却下」される申請もたまたまパスした、といった例です。あるいは、レストラン経営者組合から当局に「外国人を雇用しないことには経営が成り立たない。今のように審査に時間がかかったのでは職場の人事が回らない。審査をスピードアップして欲しい」といった陳情があった場合です。こういった場合は、これまでホコリがたまっていた申請書類が急に動き出したり、そうした時期に飛び込んで来た申請が難点が多いにもかからずパスしたり、の例です。もとより一過性のことですが、、、、。

いずれの例も推測の域を出ませんが、滞在・労働許可の「生きもの性」の例として折に触れて持ち出しています。         
さて、正面から労働許可=SALARIE許可を見た場合は、申請要件に「補強」が必要ではないでしょうか。ここで、社長さんの経営事情やAさんの個人的事情などから「補強」が可能かどうかの現実性は考慮外とします。                                
(1)ビジネススクールが経営している語学学校とあります。ここで、さらに学業を継続して、ビジネス学系も含んだDIPLOMEを取得できないのでしょうか(モード系専門学校のディプロムは職種違いで提出できません)。つまりDIPLOMEの整合性(広義での)です。                     
(2)「例えば1週間程度の短いものでもウェイトレスの講習会などに参加して参加証明書」はプラスでしょう。同時に、CHAMBRE DE COMMERCE(商工会議所)などが主催する「レストラン経営セミナー」の受講証明もプラスではないでしょうか。フランスにはHOTELLERIE-RESTAURATIONというレッキとしたビジネス・ジャンルがあります。その養成・指導講習会を熱心に受講したいですね。「サービス職」にこだわるのではなく、HOTELLERIE-RESTAURATIONの中の「サービス職から出発する」という位置付けです。DIPLOMEの補強です。                                   
(3)「サービス職で日本語が話せる」のアプローチには却下例があります。却下理由は「フランスの求職市場からさがしてください。そして仕事に必要な日本語を教えてあげてください」でした。
「レストラン経営をよく勉強していて、しかも日・仏両語に長けている」のアプローチが無難ではないでしょうか。

2019年11月25日  相談室  岡本 宏嗣

「フランス/パリ滞在質問箱」に時折り割り込んで掲載(第22回)  私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第22章)

「フランス/パリ滞在質問箱」に時折り割り込んで掲載(第22回) 
私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第22章)


雑感「フランス/パリ・子育て」の周辺(2)
=仕事も家庭も英語オンリーの息子たち=

社会人の息子二人は、仕事も家庭生活も英語です。
長男はロンドン在で、フランス系の会社に勤務していますが、職場は英語。嫁さんも英語人なので、家庭生活も英語です。   次男は中東在で、同じくフランス系の会社勤務ですが、職場は英語、嫁さんとの会話も英語です。
二人とも、パリ生まれで、学校教育は全てフランス語、全身これフランス語人ですが、 現在、日々の生活は英語なのですね。この英語生活が、二人とも かれこれ10年以上続いています。                            
長男、次男ともフランス系会社なので、職場にはフランス語人がチラホラいるようで、 彼らとは、職場外での会話はフランス語で話すこともある、といいます。フランス語とのお付き合いはそんな程度だといいます。
二人の英語力がどの程度のものなのかよくわかりませんが、一歩踏み込んで見ると、英語環境が違います。長男は「英語国」で生活しています。次男は「英語圏国」(ANGLOPHONE)での生活ですね。この違いはどうなのでしょうね。

それはさておき、全身これ日本語人の父親(僕です)と母親(家内です)には、息子たちの日々の生活がフランス語であろうが英語であろうが、その英語の舞台が「英語国」であろうが「英語圏国」であろうが、どうでもよいことで、大切なことは親子の会話が日本語でキチンと成立することです。もっとも、今となっては親子の会話といってもたまさかのことです。社会人となっている子たち、それも遠隔の地に生活しているのですから、連絡事項がほとんどです。夏休休暇に嫁さんを連れてパリに戻ってくるとか、何泊の予定なのか、とか。ノエル(クリスマス)は長男夫婦がいるロンドンに集合するか、それともパリに集合か、とか。(注1)
(注1)子どもたちの日本語学習、日本語習得については後章に回します。僕にとって、「子育て」の中心、核心に居座り続けているテーマで、厄介な問題です。

ところで、子たちにとって英語とは何なんだろう、フランス語人にとって英語とはどういうものなのだろう。こういう素朴な「問い」がここ10年くらい、時折り、頭に浮かぶのですね。
長男がANGLAIS(英語)を学校での学習教科として始めたのは中学校(COLLEGE/コレージュ)の1年目(日本の学制では小六相当)だったと思います。教科としてANGLAIS  (英語)が始るというので、僕はこんな無駄話をしたのを憶えています。この無駄話は面白かったようで、長男は後年、「憶えているよ、こんなハナシだろ」の反応があったものです。
無駄話のひとつはこうです。
「お父さんは、今は英語は全くダメだけども、中学、高校までは英語が得意だったんだ」と自讃しておいて、こう続きます。
「中学校でのある時の英語のテストで100点だったけど、模範解答として廊下の壁に貼り出されたんだ。ところが1か所、間違っているんだよ。先生、これ間違っているんじゃないですか、なんていい出す勇気も良心もない。中には、×点や空白だらけの自分の答案用紙を手にしてCORRIGER(誤りを直す)している生徒もいるんだ。まいったよ、早く引っ込めてもらいたくてね、ヒヤヒヤものだったよ」
無駄話のもうひとつはこうです。無駄話ですが教訓的ではあります。
「小学校6年の頃だったと思う。さるところで、さる先生のお説教だったんだけれどね。お父さんは今でも忘れていないんだ」。以上は前置き。
「英語の勉強を始めたばかりの中学生が電車の中だかバスの中で、いい年をした大人が英語の本を読んでいるのが目に入った。それとなく近づいて覗くと、自分が今学んでいる初級英語の教科書なんだね。いい年をした大人が、、と内心小バカにしたんです。それから1年後、また、電車の中だかバスの中でその大人に出会ったんです。驚いたことに、その人は分厚い英書を読んでいたのですね」

フランス政府による「外国語の侵食からフランス語を防衛する法律」がありました。ここで「外国語」とは主として「英語」を念頭に置いていることは言を俟ちません。
LOI RELATIVE A L’ENPLOI DE LA LANGUE FRANCAISEです。
1975年に出た法律は、フランス語に該当語がある場合は、広告宣伝、RADIO、TV、公文書などで、外国語を使ってはならない。RADIOで流す歌謡曲、音曲の類いはその 40%がフランス語でなければならない、といったものでした。
1994年にも出ています。通称LOI TOUBON(トュボン法)です。1975年のそれと
ほぼ同趣旨の「フランス語を英語の侵食から守れ」ですね。(注2)

(注2) 1989年にINSTITUT PASTEUR(パスツール研究所)の紀要が英語で刊行されることになりました。そこで登場したのが、その時期の文化・フランス語圏担当大臣JACQUES TOUBON(ジャック・トュボン1941-2009)の名を冠したLOI TOUBON(トュボン法)でした。国の助成金でなされた研究成果はフランス語で発表されねばならない、というものでした。これは、表現の自由を保障する憲法に違反するという判決が出て、骨抜きになったとされています。

いずれにしても、二人の息子の学齢期、フランスの文化・言語政策は、フランス語の防衛と英語の侵食阻止に熱心でした。
世界的な潮流となっている英語の一極集中に抗し、PLURILINGUISME(多言語主義)を言語政策として打ち出してきた時期でもありました。
英語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、アラブ語、ヘブライ語、ロシア語、、、、中国語、日本語などが一線に並び、英語は諸外国語のONE OF THEMという位置付けにしたのでした。こうした外国語事情でしたから、学校での英語教育には特別に力を入れていないのではないか、と踏んでいたものでした。息子たちは英語を外国語として選択していましたが、真剣に取り組んでいた姿を見たことがありませんでした。

これが大いなる読み違えであることがECOLE D’INGENIEURに入学してから分かりました。
よくいわれるように、英単語の6割はフランス語(ラテン語も含む)と重複しているので、僕たち非アルファベット語人とは学ぶ根本的姿勢が違うのでしょう。出来て当たり前、出来ない奴は置いてきぼり、が実情でした。政府の文化・言語政策がどうであれ、
GRANDES ECOLESでは英語力を厳しくチェックしているのでした。
長男は地質学・資源系のECOLE D’INGENIEUR(3年制、定員70名)したが、入学初年度は英語の成績順でクラス分けになったのでした。数学、物理・化学ではさしたる差が出ないという理由でした。
次男は水資源・環境工学のECOLE D’INGENIEUR(3年制、定員30名)でしたが、卒業までにTOEIC900点満点で785点以上取らないとINGENIEURのDIPLOMEが出ないということでした。(注3)
それで、「卒業までに785点以上取れなかった学生はいたのかい」と聞いたところ、 「一人いた」でした。アルザス地方出身の学生でCOLLEGE・LYCEE・PREPA(中学校4年・高校3年・プレパ2年)の9年間、一貫してドイツ語を第一外国語として学んで きたので英語力にハンディがあったといいます。他の生徒に一拍遅れたものの、無事、INGENIEURのDIPLOMEは取得できたそうですけれど、、、。
水資源・環境工学を学んだ次男から教わった英語のジョークがあります。フランス語でないところがミソですね。
ゴミ処理場、汚水処理場などの建設の際は、住民の反対が付きものです。
NIMBY、NIMEYというそうです。
NIMBYとは、NOT IN MY BACK YARD(私の家の裏庭には設置しないでくれ)
NIMEYとは、NOT IN MY ELECTION YEAR(私の選挙の年には設置しないでくれ)

(注3)既に触れた様にGRANDES ECOLES(グランゼコール)は、
①ECOLE D’INGENIEUR (技術系)②ECOLE DE COMMERCE(商業・ビジネス系) に大別されます。INGENIEURのDIPLOMEを出すことが認められいる学校が、GRANDES ECOLESの中のECOLE D’INGENIEURです。
ごくごく最近のことです。メトロ構内の壁面に大きなポスターが貼られていました。

Salon STUDYRAMA
 Grandes Ecoles
COMMERCE/MANAGEMENT/INGENIEURS
150 GRANDES ECOLES PRESENTES
Sam.9 et Dim. 10 novembre 2019  Event Center Porte de la Villette

STUDYRAMAという受験ビジネス会社の主催です。
150校のGRANDES ECOLES(商業系・マネージメント系・技術系)のブースがPorte de la VilletteのEvent Centerであなたをお待ちしていますよ、のポスターです。
この種のSALONは、これまではL’ETUDIANTという受験ビジネス会社が独占していましたが、STUDYRAMAが割り込んできました。フランスも受験教育ビジネスに競争が出てきましたね。

さて、英語のハナシでした。
日本では2020年から実施が決まっていた大学入学共通テストでの英語民間試験
が土壇場で見送りになり、かまびすしいですね。一方、英語の早期教育は202
0年より小3から必修化、小5,小6は教科化といいます。
こちらフランスでは英語の一極化現象へのレジスタンス、日本では「英語バスに乗
り遅れるな」。
そういえば、BREXITが実現したらEU本部機構内の膨大な事務処理はどうなるの
でしょうか。英語とフランス語が拮抗しているといいますが、この力関係に影響が
でるのでしょうか。                            そういえば、フランスの大学では、フランス国籍・EU加盟国籍以外の外国人学生の学費を大幅に引き上げました。奨学金制度や減額措置などいろいろあるのでしよ
うが、DECRET(政令)では、
LICENCE、(学士課程) 2770ユーロ(フランス国籍・EU加盟国籍学生180ユーロ)
MASTER(修士課程) 3770ユーロ (同 243ユーロ)

2018年までは同額で、両者間に差がなかったのです。2018年秋に格差料金制が決まったのでしたが、その際のある閣僚のコメントがふるっていましたね。
「英国がEUを出ていけば、英国の大学への留学生は大幅に減るだろう。フランスの大学が高く付くことになっても留学生は減らないハズだ。否、むしろ、増えるかもしれない」
                                  **
この章では、主として以下を参考にさせていただきました。
「あえて英語公用語論」 船橋 洋一      文春新書
「英語への旅」 ピュス・エルヌフ 内田謙二   影書房
「反=日本語論」 蓮実重彦           筑摩書房    
 (とりわけ、1章「滑稽さの彼岸に」)

  2019年11月  記  岡本宏嗣

質問。VISITEUR滞在→学生滞在→PASSEPORT TALENT(PT)への身分変更について。(VISITEUR滞在からPTの9°(あるいは10°)滞在に身分変更が出来た方は、体験報告をお寄せください)


質問。ビジタービザからパスポートタランに身分変更を希望している者です。ビジタービザで美術工芸分野の勉強をしておりディプロムは再来年取得予定です。目標はパスポートタランへ身分変更することですが、再来年までの滞在資金の心配もありますし(働けないため)、こちらのブログでビジター滞在からの身分変更の難しさを知り模索しています。そのため学生ビザを間に挟んで引き続き勉強を続けディプロムを取得したのちパスポートタランへ挑戦する道を考えていますが、ビジターから学生滞在へ身分変更ができた事例はパリPrefectureでありますか。また身分変更は現在所持している滞在許可証の更新時に申請するのでしょうか、更新時期以前でも例えば2ヶ月とか3ヶ月前からでも受け付けてもらえるのですか。ご教授いただければ幸いです。

お答え・見立て。質問者Aさんの文面に「ビジタービザで美術工芸分野の勉強をしておりディプロムは再来年取得予定です。」とあります。VISITER滞在身分で学校に登録して勉強することは出来ますが、「なぜ学生滞在身分ではないのでしょうか。学生VISAを取得しなかった(出来なかった)なんらかの事情がAさんにあったのでしょうか。これは「ビジターから学生滞在へ身分変更ができた事例はパリPrefectureでありますか」の質問にも関係してくることです。                      
学生滞在には様々な特典があります。                        

(1)住宅手当(ALLOCATION DE LOGEMENT)が支給されること。       
(2)年間964時間上限で労働許可のあること。                  
(3)SECURITE SOCIALE(SECU)でのASSURANCE MALADIE(健康保険)の保険料が免除になること。               (4)MUTUELLE(補助健康保険)に相当するCMU-C(保険料なし)にも加入登録できること。(CMU-C加入者は、NAVIGOが大幅の割り引き料金になります)。      
(5)IMPOT SUR REVENU(所得税)がないこと。
 などです。このように学生滞在者に特典が多いことは、フランス側には「入」が少なく「出」が多い、ということです。「持ち出し」が多いということでもあります。VISITEUR滞在者には、これらの特典が一切ありません。全て、自費、自己負担で滞在しなさい、です。 
「VISITEUR滞在から学生滞在への身分変更」が認められにくい理由がここにありましょう。「ビジターから学生滞在へ身分変更ができた事例はパリPrefectureでありますか」には「ありますが、一般的ではありません」がお答えになりましょう。

次ぎに「こちらのブログでビジター滞在からの身分変更の難しさ知り」とあります。    
このブログは2018年1月30日付「パスポートタランについて、既に発給されている実例などをもとに、、」です。
2年ほど前に「どんなことを書いたのだろう」と今回、読み直してみましたが、事情は変わっていません、です。           ところで、Aさんの滞在許可証はVISITEUR滞在ですが、実質は学生滞在ではないでしょうか。先記した学生滞在者としての諸特典はありませんが。さらに、文面に「DIPLOMEは再来年には取得予定」とあります。再来年にはNOUVEAU DIPLOME(日本でいう新卒)のようです。NOUVEAU DIPLOMEであれば、身分変更に脈があるのではないでしょうか。
身分変更の基本型は「〇〇〇のDIPLOMEを取得しました。さて、仕事に就きたい(仕事を始めたい)のですが、△△△滞在身分に変更してください」にあります。「身分変更に脈あり」については当相談室のご利用をお勧めします。
最期の質問です。「身分変更は現在所持している滞在許可証の更新時に申請するのでしょうか、更新時期以前でも例えば2ヶ月とか3ヶ月前からでも受け付けてもらえるのですか。」
滞在許可証の更新は有効期限の3か月前見当からRDVを取付けるのが通常です。従って、更新と身分変更を兼ねるのが定型といえます。しかし、定型以外は受付けないということではありません。例えば、滞在許可証は12月まで有効だが、6月にはDIPLOMEが取得(取得予定含む)でき、必要書類の提出も可能、といった場合は12月の期限まで待たずに身分変更申請ができましょう。
なお、読者の中で、VISITEUR滞在から「PASSEPORT TALENTの9°」に変更出来た方は、体験報告をお寄せいただけないでしょうか。お待ちしています。

定期滞在相談室 毎月第二木曜日、第四火曜日 (変更することあり) 予約制 TEL 01 4723 3358

2019年11月18日  相談室   岡本 宏嗣

体験報告です。同居していないと危険だと思います(2019年11月4日付けブログを読んで)

体験報告です。同居していないと危険だと思います(2019年11月4日付けブログを読んで)
体験報告。
2000年代初頭に来仏、フランス人の主人と結婚して当時は1年の滞在許可証の後、2年目に10年カード申請が可能でしたのでさっそく申請したところ、却下。それだけならいいのですが却下の通知には「国外退去命令」が書かれていました。市役所の市民相談係に相談、アドバイスをもらっていろいろな書類を揃え、異議申し立て申請をしてようやくレセピセを再度発行してもらいましたが、1年以上レセピセの更新、更新が続き何の進展もありませんでした。  
その後引っ越しをして、管轄プレフェクチュアが別のところになって申請をやり直し、すぐに許可がおりて、この件は解決ました。

却下された理由は、仕事上の都合でしばらくパリと地方と別々に住んでいた時期に、私が1人で住んでいるアパートに自宅訪問でチェックが入ったからです。どうやら私の行動もずっと監視されていたような気配がありました。却下通知が来てまもなく主人と合流でき、同居していたのですが、滞在許可が出ないうちに1年近く別居するはめになり、コントロールに目をつけられた訳でした。
20年近く以前の話しですが、偽装結婚のチェックは、今はもっと厳しくなっている可能性もあります。

体験報告にお礼。貴重な体験報告、ありがとうございました。それは不運、災難でしたね。 苦労されましたね。           報告文面には2000年代初頭とありますが、この頃から、フランス国籍者との婚姻が厳しくチェックされるようになりました。
フランス国籍者との婚姻は「1年の共同生活」の立証でCARTE DE  RESIDENT(CDR)が出ていたのが、それが「2年」になり、サルコさんが内務大臣をしていた2006年には現行の「3年」になったのでした。

また、同時にこんな規定も合わせて設置されました。CESEDA L 314-5-1です。
フランス国籍者との共同生活が、婚姻して4年以内に解消された場合―いいかえれば3年の共同生活を立証してCDRを取得してから1年以内に共同生活が解消された場合は、CDRは没収となる。ただし、その共同生活の解消が                  (1)配偶者の死亡による場合。                         
(2)子どもがいて、その子どもの扶養義務を果たしている場合。          
(3)配偶者の暴力による場合。                           
 以上のいずれかの場合は除く。

また、2011年には、MARIAGE BLANC(偽装婚)、MARIAGE GRIS(詐欺婚)、FAUSSE RECONNAISSANCE(偽証認知)の
罰則規定が設置されています。 5年の禁錮刑および15000ユーロの罰金です。

重ねて、体験報告の投稿にお礼しつつ。


2019年11月6日  相談室  岡本 宏嗣

パスポートタランについて。駐在員で入った会社を退職した場合、、、、

質問。フランスへパスポートタランの駐在員ビザで入り働いており、これから滞在許可証の申請をする者です。
許可証への切り替え後、この駐在で入った会社を退職した場合、必然的に帰国するしかないのでしょうか? 若しくは労働はできなくとも期限までの滞在は可能なのでしょうか?    転職は可能でしょうか? ご教授お願い致します。

お答え・見立て。

質問者Aさんは「パスポートタランの駐在員ビザ」とあります。正確にはCESEDA L313-20-3°のSALARIE EN MISSIONではありませんか。AさんのVISAにはCESEDA L313-20-3°と記されていませんか。ご確認ください。                
CESEDAは外国人滞在管理法のことです。PASSEPORT TALENT(PT)は、CESEDAのL313-20条にあります。
PTは「1°~10°」までの10種があり、SALARIE EN MISSIONはその「 3°」です。

CESEDA L313-20-3°SALARIE EN MISSIONは、Aさんが在日の日本企業X社の社員(X社で少なくとも3か月以上の勤務歴が必要)で、 X社と同じグループあるいはX社と関連 (資本提携、営業・販売、技術・人材交流、、などの面で)がある在仏のY社に移籍、駐在で派遣される場合に適用されます。
PT滞在許可証はMAXで4年上限ですが2年ものもあります。文面には「これから滞在許可証の申請をする」とありますので、現時点では「何年もの」が出るかは分かっていません。

前置きが長くなりました。                                
(1)滞在許可期間は滞在できます。                                       

(2)Y社でしか働くことができません。Y社の支店・営業所・工場、、、などへの異動は可でしょう。
Y社とのCONTRAT DE TRAVAILに社内転勤がありうることを明記しておくことです。
以上(1)、(2)から、Y社を退職した場合は、                    

(3)滞在許可証の残存期間は滞在できますが、転職はできません。ここで「滞在許可証の残存期間は滞在できる」とは、滞在許可証を発行する当局(PREFECTURE)によるチェックがないので(こちらから申し出ない限りは)、滞在許可期限までは実質的に滞在できる、ということです。                                   

(4)Z社に転職する場合は、AUTORISATION DE TRAVAIL(AT)=労働許可(SALARIE許可)を取付けなければなりません。   

(5)自営業・会社経営で事業活動したい場合は、ENTREPRENEUR/PROFESSION LIBERALEという滞在身分に変更申請しなければなりません。

こんなところでしょうか。

2019年11月6日 相談室  岡本 宏嗣

  PACSの場合は、収入がないと初回申請で10年カードが出なかった、ということですが、MARIAGEの場合も収入がないと初回申請で10年カードが出ないことがあり得るのでしょうか。

質問。2019年10月14日付ブログを読んでの質問です。 
PACSの場合は、収入がないと初回申請でCARTE DE RESIDENT(10年カード)が出なかった、ということですが、MARIAGEの場合も収入がないと初回申請で10年カードが出ないことがあり得るのでしょうか。                              


お答え・見立て。PACSとMARIAGEでは、適用されるCESEDAの条項が異なります。(CESEDA=「外国人滞在管理法」)      MARIAGEにはCESEDA L314-9-3°が適用されます(PACSはL314-8条が適用されることが多いようです。)           
フランス国籍者と結婚して少なくとも3年の共同生活のあること、がCARTE DE RESIDENT(CDR)発行の条件とされています。
従って、3年の「共同生活」(a)のあることの立証が求められますが、収入の有無は問われないのが通常でしょう。
           
ところが、上からのお達し「CDR発行に当たってはMARIAGE BLACNC(ペーパー婚)のチェックを厳しくするように」週間にぶつかったり、そもそも、その面にウルサイ担当者に当たったりすると、「経済上の共同生活」(b)を求められることがあります。
具体的には、共同名義の銀行口座、AVIS D’IMPOTのチェックです。
フランスでの所得申告は世帯申告ですから、AVIS D’IMPOTは「共同生活」(a)の立証でも信頼性の高い書類といえましょう。   例えば、配偶者が勤務の事情で遠隔の地に転勤している場合、(a)は100% 満たしていないことになりますが、(b)が提出できればパスしましょう。

さて、AVIS D’IMPOTでそれぞれの収入が明瞭になりますが、ここでCDR申請者当人の収入がゼロ、あるいは極端に少ない収入数字であっても不可ではないでしょう。 世帯申告=共同申告していないのでAVIS D’IMPOTが提示できない、はトラブルかもしれません。 

2019年11月4日   相談室  岡本 宏嗣
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