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単身赴任の際の住所変更について

質問。フランス人の夫と結婚、VPFの10年カードを所持しています(2025年まで)
この度、私が他県に転職することになりました。夫は公務員で、異動願いをこれから出す予定ですが、本人曰く、ポストに空きがなければ1年以上は待つことになるとのことです。
この場合、VPFの原則からして、私が夫と別々に暮らすことを役所から問題視されることはありますか? 1年間は変更届を出さずに書類上は現住所のままで、夫の異動のタイミングで届け出をしたほうがいいのでしょうか? どうぞ、よろしくお願いいたします。

お答え・見立て。                                    
質問文中に「VPFの10年カード」とありますが、よくわかりません。10年カードは(a)CARTE DE RESIDENTもしくは(b)CARTE DE RESIDENT DE LONGUE DUREE UEの2種しかありません。(b)はEU(=UE)共通ルールによるもので、実質的に(a)との違いはありません。
フランス国籍者との婚姻の場合は3年間のVPFを消化して、(a)が発行されるのが通常です。質問者Aさんは、2015年に(a)を取得しているようです。取得までの3年間、毎年滞在許可証VPFを更新していたでしょう。その度に、PREFECTUREには「フランス国籍の配偶者同伴で出頭し「共同生活をしていることを宣言」していたことでしょう(2016年11月の改定法実施から、初回は1年もの、更新で2年ものになっています)。この「共同生活をしていることの宣言」が念頭にあっての質問と推定します。              
「私が夫と別々に暮らすことを役所から問題視されることはありますか?」ですが、離婚含みの別居ではなく、転勤による事情であることが証明ができれば問題にはならないでしょう。 また「1年間は変更届を出さずに書類上は現住所のままで、夫の異動のタイミングで(住所変更の)届け出」をしてもよいでしょう。週末や祭日連休、VACANCE期など時々は現住所に戻ることもありましょうから。
2018年11月29日(木) 相談室  岡本宏嗣
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報告。R F SUR PLACEは却下されたましたが、数年後にVPFが発行されました。

報告です。 
2018年11月26日付R F SUR PLACEのブログを読んでの報告です。日・日夫婦で主人はCarte de  Resident所持。私は結婚後Visiteurで滞在していました。RF sur place申請が却下された数年後に滞在許可証更新時にVPFに変更(?)となりました。
Visiteurのままでも良いと思って更新していたのですが、何年もVisiteurのままではおかしいではないかと指摘され、今までの経緯(Visiteurを取得した理由、RF sur Placeは却下されたことなど)を説明しましたら、担当者が上司に相談し、その場では分からないが待ってくれと言うことで暫く待つ形となりました。最終的には滞在許可証の出来上がり時にVPFのカードを渡されました。因みにパリ在住で、子供はおりません。既に何年も前の事ですが、こういう例もあるということで。参考になりましたら幸いです。

報告、ありがとうございます。大いに参考になります。               
2018年11月26日付け同ブログにこう記しました。                                   
―CESEDA(外国人滞在管理法)「L 313-11-7°条」の適用と見ています。L 313-11条ではVIE PRIVEE ET FAMILIALEが発行される11ケースが規定されています。その「7°」に「RF手続きをする事情にない場合」の文脈が見えるので「7°」の適用と見ました―。 
この報告でのVPF発行も「L 313-11-7°条の適用」と見てよいでしょう。  
ここでのポイントは「(夫がCDRを所持しているのに)妻が何年もVisiteurのままではおかしいではないか」と担当者の方から動いてくれたことでしょう。 重ねて、ご報告ありがとうございました。


RF SUR PLACE:REGROUPEMENT FAMILIAL SUR PLACE
VPF:VIE PRIVEE ET FAMILIALE
CDR:CARTE DE RESIDENT

2018年11月29日(木)  相談室  岡本宏嗣

日本人夫婦の滞在許可証、Regroupement familial sur place、vie privée et familialeについて

質問。78県に住む日本人同士の夫婦です。
3年前にパリで結婚し、現在、夫は4年もののprofession libéraleで滞在中、妻(私)は3年もののsalarié en missionで滞在していましたが、先日(今年11月)で私のsalarié en missionの滞在許可証が期限切れになりました。
夫の滞在許可証はあと3年残っています。
私は既にsalarié en mission滞在許可証を取得した時の会社を退職し、2年近くAuto entrepreneurとして活動していたため、今年9月にchangement de statutの問い合わせをprefectureにしたところ、"salarié en missionは何の滞在許可証にも変更不可で、一度日本に帰り新たなビザを取り直す必要がある"との答えでした。
私は滞在許可証が切れる前の今年7月に78県で出産をしており、一時的であれフランスに住む夫、·子供と離れて暮らすのが難しいと訴えたところ、prefecture窓口から"ofiiにregroupement familial sur placeの申請をしてみる"提案を受け、夫が早速資料を揃えて送りました。
しかし、私の滞在許可が期限を迎えても何の返答もないため、ofiiに問い合わせたところ、審査に入るまでに早くても半年かかると言われました。
となると9月に資料を送ったので、審査は来年の3月頃になります。
既に私の滞在許可証が切れている事を伝えると、prefecture でレセピセをもらうように言われたので再びprefectureに行きました。
prefectureに行くと、"このケースではレセピセは発行できない、おそらくofii もRF sur placeを却下するだろう"との事で、次にprefecture窓口で提案されたのは"vie privée et familialeの申請(première demandeとして)"でした。
その場で(夫の滞在許可証を確認してもらった上で)申請するのに必要なリストをもらい、あとはprefectureのサイト上でrdvをとるように言われました。
前置きが長くなりましたが、質問は、
1,日本人同士の夫婦にRF sur placeができた例はあるのか。
2, RF以外で日本人同士の夫婦のどちらかがvie privée et familialeを日本に戻らず取得したケースはあるのか。           この2点です。よろしくお願いいたします。

お答え・見立て。この間の事情、経緯がよく整理されています。         
(1)日本人同士の夫婦にRF sur placeができた例はあるのか?             

お答え。ありますが、極めて少ないと見ています。当ブログで「RF sur placeが認められたカップルはご報告ください」と呼びかけたことが過去に2回あります。それぞれに1件、合計2件の報告をいただきました。いずれも「呼び寄せ者」(DEMANDEUR)がCARTE DE RESIDENTの所持者、「呼び寄せられる者」(BENEFICIAIRE)が学生滞在者だったと記憶しています。  「RF sur place」(REGROUPENT FAMILIAL SUR PLACE)申請についての当室の見方は、SERVICE PUBLIC(政府公報)にはいかにも出来そうに掲載されていますが、一貫して「?」の立場です。ところが、最近の「RF sur place」申請の報告で、従来と違った対応が見られるので、注視しているところです。これについては、別の機会で触れましょう。

(2)RF以外で日本人同士の夫婦のどちらかがvie privée et familialeを日本に戻らず取得したケースはあるのか?           
お答え。当室の相談例ではありません。日本人と非日本国籍者(非アフリカ・非アジア系)のカップルには最近事例があります。まず「RF sur place」申請をしたところ却下。次いでVIE PRIVEE ET FAMILIALEへの身分変更に切り替えたところ、今回はパスしたというものです。「CESEDA(外国人滞在管理法) L 313-11-7°条」の適用と見ています。 L 313-11条ではVIE PRIVEE ET FAMILIALEが発行される11ケースが規定されています。その「7°」に「RF手続きをする事情にない場合」の文脈が見えるので「7°」の適用と見ました。   質問者Aさんの場合は「今年7月に出産」とあるので「RF手続きをする事情にない場合」ともいえます。「7°」の適用を期待したいですね。なお、この「7°」は、「フランス国籍者とのPACS+少なくとも1年以上の共同生活」の適用条項でもあります。

2018年11月26日(月) 相談室  岡本宏嗣

ディプロムを取得せず大学を中退して身分変更する場合、却下されるリスクが高いでしょうか?

質問。現在、大学のアート学部に所属し学生の身分でフランスに滞在しつつ、写真家および写真家アシスタントとして働いています。本来はディプロム取得後に写真家としてpasseport talent を申請しようと考えていましたが、先日の外国人学生への授業料引き上げの発表を受け、来年度の身分の変更を考えています。そこで質問です。ディプロムを取得せず大学を中退して身分変更する場合、却下されるリスクが高いでしょうか?ちなみに日本でもディプロムは取得していません。アーティストとしての推薦状は取得可能です。

お答え・見立て。「ディプロムを取得せず大学を中退して」とあります。 DIPLOMEには漕ぎつかないとしても「〇〇課程を修了」のC
ERTIFICAT DE SCOLARITEは発行してもらえないのでしょうか。         
もう一点。写真家としての職業歴はどうでしょうか。DIPLOMEが不備、不足の場合、 それを補うものが職業歴でしょう。             
「少なくとも5年以上の職業歴」=「少なくとも3年間は必要する教程でのDIPLOME取得」という評価があります。EQUIVALENCE(ほぼ同等)という考え方です。                           

ところで、「写真家としてpasseport talentを申請しよう」とあります。PASSEPORT TALENT(PT)は「1°~10°」の10種から成ります。写真家であればARTISTEを対象とした「PT 9°」が該当しましょう。「PT 9°」では「アーティストとしての推薦状」というよりは具体的なCONTRAT DE TRAVAIL(CDT)あるいはCDTに準ずる仕事契約書、仕事注文状の提出になりましょう。
また、「PT 9°」とよく似た滞在資格にENTREPRENEUR/PROFESSION LIBERALE(PL)があります。提出書類はほぼ同じですが、ENTREPRENEUR/ PLの方がハードルが低い、とされています。要検討でしょう。


2018年11月22日  相談室  岡本宏嗣

2018年11月9日付「情報求む。車の購入詐欺に連続的に直面しています。 アドバイスをお寄せください。」に投稿がありましたので掲載します。

こんにちは。
車の購入詐欺に関してですが、RTLのラジオ番組でJulien CourbetのÇa peut vous arriverというのをご存知でしょうか。フランスで遭ういろいろなトラブルを受け付けていて、番組内で解決しようというものです。番組には、弁護士さんもいます。先日は、身分証明書を盗難され、勝手に銀行口座を作られ、ブラックリストに載ってしまった学生さんのトラブルを取り上げ、銀行と交渉していました。
番組で取り上げられた事で、交渉先が反応し、うまく解決する事もあります。もちろん、失敗する事もありますが、専門的な弁護士さんのアドバイスも受けられます。
ダメ元で、こういう機関に手紙、メール、facebookなどで詳細をもちこんでみるという手もあると思います。

「相談室より」。投稿、ありがとうございます。文面を拝見すると、車購入詐欺がこの番組 Ça peut vous arriver向けのトラブルであるように感じられます。被害者当人はフランス人ですからいかようにも対応できるでしょう。適切なアドバイス、ありがとうございました。

2018年11月20日(火)  相談室  岡本宏嗣

住居税の請求が一向に無いのですが、、、。

住民税について質問させて下さい。
去年の11月に引っ越しました。
前の家は6年間住んでいましたが、住民税の請求はありませんでした。
今の家も住民税の請求が無いようです。もちろん収入申告はしています。
EDFも自分の名前で契約があり、ノワール物件ではありません。
住民税が発生しないというのはどのような条件なのでしょうか。収入や建物の価値と聞いた事がありますが。また、パリ10区では住民税が皆無いという話も聞いたことがあります。
今年こそ払うことになるだろうと思っていたので拍子抜けしていますが、長年疑問だったので、質問させていただきました。

お答え・見立て。
TAXE D’HABITATION(以下、TDHと略記)は、住民税というよりは住居税とした方が より正確でしょう。結論からいえば、
(1)税務局の事務処理漏れ。昨年11月に引っ越したとありますので、未処理枠に納っていることがありそうです。また、前住居では6年間、請求がなかったとありますので、TDH口座がない。そのため現住所へ移行処理ができない。処理の先送り、ペンディング状態にある、ということも考えられましょう。この場合は、「何で今頃になって!?」のTDHのオフ・シに請求が来たりすることがあり得ます。一向に事務処理が進まず、税務局からウンスンなし、ナシのツブテも大いにありそうです。                        
(2)上記(1)のような事務処理上のトラブルではなく、所得申告(DECLARATION SUR REVENU)での収入数字から、EXONERATION(課税免除、税額ゼロ)ということがあり得ます。EXONERATIONの場合「あなたは税額ゼロですよ」の通知(AVIS D’IMPOT)が送付されないのが通例です。郵送料金が無駄ということでしょう。
以上のことから、「所得税のAVIS D’IMPOT」を携えて税務局に直接足を運んで問い合わせれば(1)なのか(2)なのかが判明すると思います。(2)の場合は、その場で、TDHのAVIS D’IMPOTをプリントしてくれましょう。EXONERATIONですから税額ゼロ、となっているハズです。
以下はTDHの仕組みです。

(3)TDHは当年1月1日にその居住物件に住んでいる居住者に課税されます。当年秋10月中旬に「TDHを〇〇〇ユーロ払いなさい」の通知状(AVIS D’IMPOT)が送付されてきて、その支払い締め切りは当年11月15日とされるのが通常の税務スケジュールです。                                    
(4)一方、所得申告(DECLARATION SUR REVENU)は、前年度1月-12月の1年間の収入を翌年(つまり当年)の5月中旬締め切り(ネット申告は6月上旬)で申告します。2017年度1月-12月の1年間の収入は2018年5月に申告する、というスケジュールです。その申告用紙では当年2018年1月1日での住居・住所が確認されます。それが 2018年秋に請求されるTDHのベース資料になっています。                                    
(5)TDHは、その居住物件のVALEUR LOCATIVE(賃貸価値)指数がベースになります。VALEUR LOCATIVEは、不動産屋さんでの賃貸物件の家賃額(世間相場)に直結するものではないようです。VALEUR LOCATIVEの数字は税務局不動産セクションの台帳に納っています。また、TDHは、国税ではなく地方・地域税なので税率は国税のように一律ではないようです。                                     
(6)このように、TDHの税額はVALEUR LOCATIVE指数と地方・地域税率によって算出されます。従って、TDHの税額数字それ自体がはゼロにはなりません。 ここで、登場するのが、収入数字によって、 
                                 
① EXONERATION(全額免除) 
② ALLEGEMENT(減額・割引) 
③ DEGREVEMENT(特別軽減措置。2018年年度はDEGREVEMENT MACRONで30%軽減)
などの適用です。適用される収入数字の上限は、家族数によって異なるので複雑、省略します。
なお、収入数字は、所得申告(5月中旬締め切り、ネット申告は6月上旬締め切り)で税務局が確認済みであることを想起してください。

2018年11月10日(土) 相談室  岡本宏嗣  

「フランス/パリ滞在質問箱」に時折り割り込んで掲載(第17回)  私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第17章)

「フランス/パリ滞在質問箱」に時折り割り込んで掲載(第17回) 
私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第17章)  (2018年11月14日、一部改稿しました)。

プレパ(PREPA)とは、どういうものか (3)

プレパが、フランスの教育制度や学校制度の紹介本、解説本など紙の上で登場する用語ではなく、生きた現実として接触したのは1984年5~6月頃のことでした。30余年も前のことになります。それは、早熟で英才の評判が高かったA君を通してでした。
A君は母親が日仏ハーフなので、日本人の血が1/4入っていることになります。     
フランスで生まれ、フランスの幼・小・中学校を経て、その時はLYCEE(リセ=高校、3年制)のTERMINAL(テルミナル、最終学年生)、つまり高校3年生。年齢は17歳もしくは18歳でした。日本語は正課としては学んでいなかったようです。祖父が日本人なので日本には関心があり、14歳の時に日本人の祖父に連れられて日本に旅行をしたとのことでした。

1984年3~4月頃、A君に「日本人会会報JOURNAL JAPON」向けにエッセイの寄稿をお願いしました。テーマは「日本旅行の印象紀」です。英才A君の文章を是非読んで見たかったのです。といって、僕にA君のフランス語表現力を直接に判定するフランス語力はありません。A君のフランス語原文、日本人の祖父による日本語訳、日仏対訳でエッセイをちょうだいしたのでした。(注 1)。
早熟、英才は悪くいえば、青二才、生意気ともいえます。当時、まだ影響力のあったロラン・バルトROLAND BARTHESの日本論ともいうべき「象徴の帝国」(L’EMPIRE DES SIGNES)あたりを引用して、、、、、と予想していたのですが、この予想は見事に外れました。A君の日本観は、ヨーロッパ人に多い日本文化の特殊性、西欧文化との異質性といった見方ではなく、 中世の化学者・錬金術師パラケルス(ス)PARACELSE(PARACELSUS)や医師LOUIS DURETの思想に通底しているSYMPATHIE(共感、共鳴、交感)をキーワードにした展開でした。2018年の現在、そのエッセイを読み直してみたのですが印象にかわりはありませんでした。17-8歳児とは思えない成熟した一文です。

(注 1)1979-2009年、在仏日本人会事務局長の職にありました。退職後も現役時代と同様に続けていることが二つあります。一つは「滞在相談室」です。ブログ「フランス/パリ滞在質問箱」は、同相談室の「別室」です。もう一つは、「日本人会会報    JOURNAL JAPON」への連載寄稿です。滞在に関するあらゆる問題に対応しています。

さて、A君とプレパのことです。後日談として知ったことなのですが。
A君にエッセイの寄稿をお願いしていた1984年の3~4月時期、A君にとってはプレパ進学の可否が決まる時期だったのでした。そして、いくつかの志望先のプレパ(文系コース)の
いずれからも却下されたとのことでした。A君はいうまでもなく成績抜群だったでしょう。 ところが、A君が在籍していたLYCEE Bはパリ市内のLYCEEの中では下位ランクの評価でした。LYCEE Bでいくら成績がよくても「所詮はしれている」と低評価されたのでしょう。志望先のいずれのプレパからもAVIS  FAVOLABLE(入学許可)が出なかったというのです。
A君は直接行動に出ました。自分を外したプレパXの校長(PROVISEUR)に直談判して却下の判定を覆させ、プレパXへの進学を果したということでした。
プレパというものが具体的に存在し、そこには合格したり外されたりの選考がある、進学する学生がいる。A君がそれを教えてくれたのでした。とはいっても、その時期、長男は未だ10歳児。遙かに遠い先のこと、ヨソ様に起きた出来事でしかありませんでした。
その7年後に、長男がA君と同じプレパX(理工系コース)に進むことになるのですが、、、。

******

プレパ進学の仕組みや選考の実情などその概要が見えてきたのは、2001年の次男のプレパ進学を通しでした。次男の在籍していたLYCEE(高校)にはプレパがありました。次男にとっては、自校のプレパに残るか、それとも他校のプレパに進むか、その選択でした。 自校プレパも含めほぼ同ランクの4プレパに応募し、4プレパからAVIS FAVOLABRE(入学許可)が出たのでした。4プレパの内2プレパは捨てて、二つに絞りました。一つは自校プレパ。もう一つはA君(1984年度)と長男(1991年度)が進んだプレパXです。 進路指導の教官に相談したところ、「キミはPYSIQUE-CHEMIE(物理・化学)コースだから、両方とも、まあ似たようなレヴェルにある。どっちでもよいのでしょう」のアドバイスを得て、結局、通い慣れた自校プレパを選んだのでした。
一口にプレパといっても、大別すれば理工・技術系コースと商業系コースがあり、それがさらに
細かいコースに分かれていること、コースによってグランゼコール受験のノウハウ、指導テクニック、過去の合格実績などにプレパ独自の特色があることを知ったのでした。           
次男が商業系コースであったら迷わずプレパXに進学したのかも知れません。先程、「4プレパの内2プレパは捨てて」としましたが、この二つから選んだかも知れません。全く別の4プレパへの応募になったのかも知れません。
iいずれにしても、僕父親は全くの白紙というより全面無知。
「長男、次男が同じプレパでは面白くない。別々プレパ、大いに結構」の野次馬観察者でしかありませんでした。

在籍している自校にプレパがある場合は、前述したように「自校のプレパに残るか、それとも他校のプレパに進むか」の選択になります。「キミの成績ではここに残るのは難しそうだ。どこか別のプレパを探しなさい」の内示もあるでしょう。ここで別のプレパとは、「ここ」より下位ランクのプレパを意味します。
一方では、他校からの応募生の受け入れがあります。14章に記したように、プレパには地域枠、学校区群枠がありません。フランス国外校も含めて完全オープンです。パリのプレパでは、地方出身者のために50室見当のFOYER(学生寮)を備えているのが通常です。
自校にプレパがあることは、自校プレパに居残る生徒、より上位ランクの他校のプレパに、あるいはより下位とされている他校プレパに進む生徒がいるということです。加えて、他校から応募してくる生徒も多数いて、それを整理整頓、選考して良質な生徒を選びたい。こうした作業を経てプレパ・クラスが構成されることになります。
在籍する自校にプレパがない場合は、学校側にこうした作業がないのでプレパ進学は埒外になり、進路指導も無いに等しく、当人が孤軍奮闘することになります。長男のケースがそれでした。
当「子育て」10章で触れました。長男の在籍していたLYCEEは、沿革をたどれば旧制女子高校で、音楽エリート養成のため調整クラスを設置している特殊高校でした。もとより自校プレパはありません。たまたまある学科の教員がコツコツまじめ型の長男に声をかけてくれたことからプレパ・ストーリーが始まりました。「キミはプレパに進んだらどうかね。プレパ情報はONISEPに問い合わせるとよい。推薦状は僕がいかようにも書こう」 (注 2)
あの時、その教員が声をかけてくれる「幸運」がなかったらプレパからグランゼコールに進むことはなかったでしょう。長男が在籍したCOLLEGE(コレージュ・中学校4年制)はZEP指定校でした(注 3)。LYCEEは音楽系の特殊高校。PREPA Xに進んだ際に同僚から「そんな学校からよくここまで這い上がってきたな」と驚かれたそうですが、それが実感されたのは10年後、2001年に次男がプレパに進んだ時でした。次男が定型コースでプレパに進んだことから10年前の長男のプレパ進学が定型から外れたものであったこと、「幸運」以外の何ものでもなかったことを思い知らされたのでした。

(注 2)ONISEP=OFFICE NATIONAL D’INFORMATION SUR LES ENSEGNEMENTS
ET LES PROFESSIONSという国立の進路指導窓口の存在をこの時初めて知りました。MAIRIE(市役所)内に常設、あるいは進路を決める時期に出張デスクを設けて学業、職業資格取得の進路相談に応じています。進路指導の案内冊子も刊行しています。

(注 3) ZEP=ZONE D’EDUCATION PRIORITAIRE 
「子育て雑記」10章から引用します。
長男の在籍したB中学校はZEP(ZONE D’EDUCATION PRIORITAIRE)地域内の中学校ということでした。ZEPとは、教育特別指定地域の意です。治安が悪く、風紀が乱れている地域とされ、保護・監視が必要な小学校・中学校・高校ということです。低所得層の家庭が多い、学力は低迷、校内外での暴力沙汰が発生しやすい。特別予算をつけて教員数を多くし、給与額も割り増しとする。さらに屈強な補導員も配置して対応する。そういったことが必要とされる小・中・高校です。

******

次男のプレパ進学以降に顕著になってきた現象があります。
プレパには、コース別にランキングがあり、公立・私立、さらには、ここ10年ほど前からプレパ専科の私立塾が加わってきました。これらが入り乱れてグランゼコール合格数を競っています。ECOLE POLYTECNIQUE(通称 ポリテク)、 ECOLE NORMALE SUPERIEUR(通称、ノルマル・スップ)、商業系であればHEC(アッシュ・ウー・セー)などを頂点とする名門グランゼコール群に何人合格したかが、そのプレパの評価に直結していることです。     私立プレパ、プレパ専科私立塾もランキングの上位を占めて競争は加熱状態を呈してきました。
公立プレパは無料、私立プレパは有料で高額、プレパ専科の私立塾は超高額です。     
長男、次男ともただただ自然体、成り行きで公立プレパに進んだので、受験戦争費用はゼロでした。

******

1991年に長男、10年後の2001年に次男のプレパ進学の様子を見聞してきました。
2006年からは、BAC(バカロレア)での試験科目「外国語」で日本語を選択する生徒向けに「日本語BAC準備クラス」を家内と一緒に続けています。
卒業生は40人を越えています。プレパに進み、その後グランゼコールに合格した生徒も出ています。プレパに進んだものの、体質が合わず、途中から別コースに進路を変えた生徒もいます。これらの見聞から、プレパを過大視せず、実寸大、等身大で見ることが出来ると思っています。
昨年度(2017/18年度)からPARCOURSUPと呼ばれる進学先選定方式が導入されています。大学の学部・学科、公立プレパのコース別志望先を一括して提出する新方式です。一極集中しがちな応募を調整する対策とされていますが、どういうことになるのか注目しています。

最後に、冒頭に登場のA君です。プレパXでの2年を終えて、グランゼコールの最高峰の一つECOLE NORMALE SUPERIEUR ULM(通称、ノルマル・スップ・ウルム)に合格しました。
IEP(INSTITUT ETUDES POLITIQUES、通称シアンスポ)を経て、パリ大学で博士号を取得、AGREGATION(アグレガシオン、教授資格)にも合格して、現在は大学の教壇に立っています。A君にねじ込まれて入学許可を出した当時のプレパXの校長は、A君のノルマル・スップ・ウルム合格に、してやったりとほくそ笑んだに違いありません。

2018年11月10日 記   岡本宏嗣

情報求む。車の購入詐欺に継続的に直面しています。アドバイスをお寄せください。

相談です。滞在VISAとは関係ないのですが、相談させていただきます。
主人はフランス人です。4年ほど前に、勝手に主人の名前が使われ、車の代金の支払いがされていないと警察から呼び出されました。主人は車の免許すら持っていません。誰が買ったのかは不明です。
それから、1年後もまた車を購入したとされました。 
その1年後も.....。
毎回 警察に呼び出され、誤解だと警察は判断してくれているのですが、 同じことが繰り返されています。 
今年は2回も、買われた車の年間の税金の支払いで、国から強制的にお金が引き落とされたり、税金の振込用紙が送付されてきました。昨日も、強制的な引き落としがあり、主人は疲れて果てて落ち込んでいます。
過去に似たような被害を聞いたことがあればと思い投稿させていただきました。 今後どのような対策をしたらいいのかご存知で
あれば教えてください。日本人で同じ被害に遭う方がいるかもしれないので.....。

見立て。当室主宰(岡本宏嗣です)は車の購入経験がないので、無知、無力。お手上げです。                       何らかの局面で個人情報を盗まれたのでしょう。
「同じ被害に遭ったことがあり、こうして解決した」、「周辺の知人に被害経験者がいる」「被害にあったことはないが見当は付く」といった体験情報、関連情報の投稿をお待ちします。
よろしく、お願いいたします。

2018年11月9日(金)  滞在相談室  岡本宏嗣
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