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日本在住です。日本でフランス語を学んでいます。その関係から3か月の短期フランス滞在のお話しがあるのですが、、、。

質問。日本在住です。日本でフランス語を学んでいます。その関係から3か月の短期フランス滞在のお話しがあります。フランス人家庭に住み込みで、ベビーシッター、家事手伝い、日本語の家庭教師などをしながら、フランス語学校にも通えるそうです。その家庭から給与もいただけるようです。この制度について色々調べたのですが、正確にわかりません。不躾ながら、周辺の知人から紹介をされてメールをさせていたきました。
ご存知でしたら、以下の点についてご教示いただけると幸いです。
(1)VISA取り付けは不要でしょうか。給与収入を得る場合は、3か月以内の短期滞在でもVISA取り付けは必要という情報が多いのですが。
(2)仮にVISA取り付けが不要だとして、3か月後に現地フランスで長期留学VISAに切り替えられるのでしょうか。一旦、日本に帰国して長期留学VISAを取得しなければならないのでしょうか。
(3)同じく、一旦、日本に帰国して3か月後に再度、同一のフランス人家庭で、あるいは別のフランス人家庭で同様の滞在ができるでしょうか。もちろん、先方からそういうお話があった場合ですが、制度としてどうなのでしょうか。

お答え・見立て。
質問者Aさんの質問文面に「3か月の短期フランス滞在のお話しがある」とあります。
Aさんを受け入れるB家庭が実際にあるということですね。あるいはNPOのような組織の仲介でしょうか。いずれにしても、外国人滞在管理法(CESEDAと略称されています)の最近の改定を踏まえているようです。

(1)Aさん、読者には、法律名やその条項がウルサイことは承知の上で、整理させてください。
2016年3月7日付法274号でCESEDAが大幅に改定されました。同改定法の第19条で「3か月以内の職業活動であれば、外国人労働管理局(DIRECCTE-MOEというお役所です)の許可を取り付けずに、いいかえれば就労VISAを取り付けずにフランスに滞在できる、有給で職業活動ができるという新措置が設定されました。なお、同改定法は様々な新措置を打ち出していますが、その施行は2016年11月1日です。とはいっても、実質的には2017年に入ってから少しずつ動き出しているのが実情ですが、、。
それはさておき、この19条が適用される職種、活動分野は限定されています。3か月以内であれば、どんな職種分野の仕事でもよいわけではありません。
それを規定したのが、DECRET n°2016-1461 du 28 octobre2016(2016年10月28日付政令1461号)です。大別しますと6分野です。

①スポーツ・文化・芸術・学術の各分野でのセミナー、見本市、シンポジウム、大会、発表会などでの講演、演技披露・指導、ワークショップなど。

②映画、VIDEO、舞台などの公演あるいは撮影に関わるアーティスト、撮影、音響、照明、、などの活動。

③マヌカン(ファッション・モデル)やグラビア撮影などでのモデル活動。・

④個人家庭での家事仕事。

➄国際会計、情報処理、経営、財務、保険、建設、技術分野の管理に派遣される専門業務活動。

⑥大学その他の教育機関、研究機関から招聘された外国人講師の集中講義、連続講演。

 以上です。Aさんは(4)ですね。「フランス語学校に通える」かどうかは、法規定の問題ではなく、当事者間の任意、合意の領域でしょう。「3か月という上限がない制度」にSTAGIAIRE AIDE FAMILIAL ETRANGER (家事労働見習い)があります。こちらは17-30歳の年齢制限があり、フランス語学学校で学ぶことが義務付けられています。

(2)「3か月後に現地フランスで長期留学VISAに切り替えられるでしょうか」。
 これについては「一旦、日本に帰国して長期留学VISAを取得して出直す」ことを
お勧めします。出来ないわけではありませんが、手続きとしては変則型です。
「正型をもってよしとする。変則型は極力避けよ」が当室のアドバイスの基本方針です。

(3)わかりません。スタートして日が浅いので実例の情報を持っていません。
 基本方針「変則型は極力避けよ」から申し上げれば、長期語学留学VISAを取得して
 滞在されることをお勧めします。30歳以下であれば前出のSTAGIAIRE AIDE
FAMILIAL ETRANGER (家事労働見習い)もあります。もちろん、年齢、職種分野
を問わず年間964時間上限で働くことが出来ます。

補足です。受け入れ先の家庭とのCONVENTION(協定)あるいはCONTRAT
(契約書)は必要です。また、健康保険は当人の責任で加入してください。
3か月間のことですが、どういう展開になるか不透明です。老婆心ながら路銀のご用意
もお忘れなく。
「受け入れ先はごくごく親しい家庭です」であれば、失礼の段、お許しください。

2018年8月31日  滞在相談室  岡本宏嗣
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「フランス/パリ滞在質問箱」に時折割り込んで掲載(第16回)  私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第16章)

「フランス/パリ滞在質問箱」に時折割り込んで掲載(第16回) 
私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第16章)

プレパ(PREPA)とは、どういうものか (2)

プレパ(通常は2年制)は日本にはない制度ですから、物珍しい、そして印象深いことがいくつか
あります。
その一つにCOLLE(コル)があります。COLLEは、糊、接着剤のことですが、辞書をを引くと
「学生の隠語(ARGOT SCOLAIRE)、定期的な口頭試問テスト、難問」とあります。
グランゼコールの入学試験にあっては、
(1)) ECRIT(筆記試験)
(2) ORAL (口頭試問)
の二つが課せられます。
グランゼコールの入学試験に限りません。BAC(バカロレア)での「フランス語」試験は、高校2年の年度末6月中・下旬に実施されますが、(1)、(2)の双方があります。
高校3年の年度末6月中・下旬に実施されるBAC本試験では外国語(LANGUE VIVANTE ETRANGERE 略称LV )に(1)(2)が課されています。外国語とは、英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、アラブ語、ヘブライ語、、、日本語、中国語、などです。日本語についていえば、日本語を第一外国語( LV I )あるいは第二外国語( LV IINPO)に選択する場合は、(1)(2)があります。第三外国語( LV III )に選択する場合は(2)のみ課される、といった具合です。

さて、プレパに話を戻します。
プレパの2年生では、グランゼコール入学試験での「(2)口頭試問」に備えて訓練が行われます。これがCOLLE(コル)と呼ばれるものです。訓練とはいっても漫然としたものではなく、その場で得点数が当人に通告され、学期末の成績表(BULLETIN DE SCOLAIRE)にも反映されます。
手元に次男が残したCOLLOSCOPEなるものがあります。COLLEとSCOPEの合成語でしょう。
それを見ると、1グールが3人から構成され、グループごとにCOLLEが実施されることがわかります。16グループあるので、次男のクラスの生徒数が48人であることが知れます。
数学、物理、化学、外国語(英語、ドイツ語、アラビア語からの選択)の主要4教科でのCOLLE
が、実施の日時、教室、担当教員を一覧表にしています。16グループ、4教科、日時・教室指定、担当教員の5項目をA4サイズ1枚に凝縮した一覧表なので、まさに虫眼鏡サイズの表です。

当日当刻、指定の教室に3人で赴くことになります。COLLEでの実際の試験担当は、日頃の通常授業での担当教員j自身ではなく、担当教員が依頼する他校プレパからの出張教員であったり、高等研究機関の研究員であったりするようです。
「今、何を勉強していますか」の質問があり、それに準じた試験問題が3人にそれぞれ配られます。いくつかの試験問題があり、それをくじ引きで引かせるCOLLE担当教員もいるといいます。
10分ほどの時間が与えられた後、机を離れて黒板上で解答する展開です。
なお、黒板は仕切り線で3等分されています。

さて、次男から聞いたCOLLEでの衝撃の一幕です。次男のグループではなく、別クラスの3人グループ、MATH  (数学 )でのCOLLEでのことでした。
3人のうちの一人の女子プレパ生が黒板に解答を書いていると、教員が「ハイ、線を引いて、もっと引いて、さらに引いて、、、」。女子プレパ生が黒板の端っこまで線を引いて、限りなくドアに近づいたところで「ハイ、SORTEZ」(出ていきなさい)」。
COLLEでの得点数はその場で通告されるということですから、教室内から追放された場合はどうなのでしょう。ゼロ点なのでしょうね。
その女子プレパ生は、その後どうなったのでしょう。
次男坊いわく「知らないよ。みんな自分のことで精一杯、抗議したり、助けたりする余裕はないんです」。
これが現今の日本であれば、教師のパワハラになるところでしょう。

7-8年前、プレパをテーマに取り上げたルポ番組を見ました。
カメラはLYCEE LAKANAL(リセ・ラカナル)(注 1)のプレパに入り、「プレパ生の生活と意見」
をおさめていました。ORIENTATION(進路指導)の日、指導教官室でORIENTATIONの面接を終えた女子プレパ生が泣きながら出て来たところをカメラがとらえていました。商業系グランゼコール
志望のプレパ生のようでした。「こんな成績じゃ、どこも通らないよ。進路変更した方がいいんじゃない」とでもいわれたのでしょうか。
プレパは怖い、学力ではプレパ進学が可能であっても、あえて進まない生徒も大勢いるようです。 (注 1)LYCEE LAKANAL
(リセ・ラカナル)のPREPA(プレパ)
HAUTES DE SEINE(オート・ド・セーヌ、SCEAUX ( ソオ )市にある名門プレパ。

                      *
さて、COLLEはグランゼコール選抜試験でのORAL (口頭試問)の予行演習でもあります。
ORAL (口頭試問)は、日本ではなじみの薄い試験方式です。日本でいう「面接試験」とは趣を異にします。物理、化学であれば、実際に実験をさせて口述で説明。誤魔化しが効きません。
地方に住む日本人Aさんと滞在許可云々で相談を受けた時のことです。Aさんは、夫人がフランス人で受験期の息子さんがいるとのことでした。日仏ハーフ児です。
その際の余談で、
「息子がポリテクをスベリましてね。スペレックとかいう学校に決まったんです。ポリテクはペーパー試験はパスしたんですが、面接で落とされました」。(注 2)
ポリテクとはECOLE POLYTECHNIQUE(エコール・ポリテクニック)、グランゼコールの頂点にあります。「ペーパーテストは受かったのに、たかが面接で外された」の無念がにじみ出ていました。
僕も日本人のお父さんだからよくわかりますが、この国では、ORAL (口頭試問)は「面接」ではないのです。
「スペレックとかいう学校」には、「聞いたことない学校」という低評価が漂っています。
僕は、にこういい返しました。
「優秀な息子さんじゃないですか。うちの息子には手が届きません。スペレックはポリテクに負けませんよ。ポリテクは防衛省管轄なので、初年度生はドンパチの訓練があり、兵役のようなものです。これを嫌ってあえてスペレックに行く学生もいるのでしょう。 ポリテク生は将校待遇ですから給与が出ますが、卒業後、7-8年は省庁での宮仕え、国家公務員です。お礼奉公みたいなものです。自由が効きません」。
グランゼコールといえば、ポリテクかノルマル・スップ、そしてENAくらいしか思い浮かばないのが
日本人のお父さん相場でしょう。「スペレックとかいう学校」にもなるでしょう。
「スペレックでよかったんじゃないですか。立派なものです」。
こういっても、日本のお父さんの声は弾みませんでしたが。
(注 2)SUPELEC(スペレック) 
ECOLE SUPERIEURE D’ELECTRICITE の略称。1894年設立。電気通信系の名門ECOLE D’INGENIEURS。2015年に改組されて、CENTRALE SUPELECとなっている。
                     *
公立プレパは授業料がありません。無料です。ETA(国)の予算が財源のほとんどで、REGION(地域圏)、企業の拠出などが補助財源です。最近の統計によります。
学生一人当たりの年間予算
大学生           10850  ユーロ
プレパ生          14850  ユーロ
グランゼコール生     16000 ユーロ

大学生より約40%も多いプレパ生の予算が、時折、「不公正」だと社会・教育問題になります。

今回はここまで。もう少し、プレパを続けるかもしれません。

2018年8月31日  記    岡本宏嗣

COMPETENCES ET TALENTS からPASSEPORT TALENTへ切り替った場合の 就業内容について

COMPETENCES ET TALENTS からPASSEPORT TALENTへ切り替った場合の就業内容について

質問。
現在、COMPETENCES ET TALENTS (以下CT)の更新2度目にPASSEPORT TALENT(以下PT)に切り替わり4年間のPT滞在許可証が発行されました。
就業について、CTの時にはカード上にも記されている通り”Toutes activités professionnelles dans le cadre du projet présenté"ということで理解しておりましたが、 PTの滞在許可証には”Passeport talent:profession artistique et culturelle”と記載されています。これは、PTの滞在許可証では芸術•文化に関わる職種の範囲内であれば専門に関わらず就業可能と言う意味なのでしょうか?
CTからPTへの切り替えはプレフェクチュールで自動的に切り替えられており、詳細が不鮮明なのですが、この場合CTの場合と同様にフリーランスでの就業も、サラリエでの就業もどちらも可能ということでしょうか?
現在までフリーランスでの活動だったのですが、サラリエのお話を頂き滞在許可について気になりましたので、投稿させて頂きました。お手数お掛け致しますが、どうぞよろしく
お願い致します。

お答え・見立て。
(1)CTの場合と同様にフリーランスでの就業も、サラリエでの就業もどちらも可能ということでしょうか?
①法文規定上はグレーゾーン、実質的には可能でしょう。法文規定でグレーゾーンであることは、4年後のPT更新時に問題化するかもしれません。まったく問題化しないかもしれません。PTは2016年11月スタートの新設カードですので、「4年ものカード」としての更新事例は未だ出ていません。
②PROFESSION ARTISTIQUE ET CULTURELLEは、10項から成るPTの「第9項」に当たります。
法規定ではCESEDA(外国人滞在管理法)L313-20-9°です。そして、さらに「第9項(9°)」を詳細に規定した条項としてR313-67条、313-68条があります。
R313-67はSALARIE (a) の場合の規定、R313-68はNON SALARIE (b) の場合の規定
です。NON SARARIE(b)は質問文面にあるフリーランス、正確にはPROFESSION LIBERALE(PL)としての収入活動です。(a)と(b)は、別々に規定されていて、(a)と(b)
の双方の収入形態が同時に可能であることは一行も記されていません。法規定上の裏付け
はない、ということです。

実際の申請では、(a)(b)の双方の関連書類を提出して、パスしている事例も多いのです。
また、「4年ものカード」の場合、申請時の内容が、その後4年間、そのまま維持されるとは限りません。例えば、申請時はA、B、Cと三つのSALARIE契約があったが、まず
Aが事業不振で経済解雇になり、次いでBとのSALARIE契約が解約。収入ダウンを埋めるために新たにDとNON SARARIE契約した、といったことは大いにあり得ることです。変更の度に届出るシステムではありません。4年間はノーチェックですから、自己事情でやりくりするしかありません。「実質的には可能でしょう。」は、こういう局面は大いにあり得るからです。
なお、(a)については、DIRECCTE-MOE(外国人労働管理局)の許可取り付けは不要ですが、OFII(移民局)への外国人雇用税(雇用者負担)の支払いは必要、とされています。
具体的には、申請時に規定の申告用紙Cerfa 15617*01の提出です。
質問者の場合は、文面にもあるようにC&T廃止による「PTへの自動変更」であり、
「現在までフリーランスでの活動だった」ので「今後もフリーランスでの活動の継続であろう」と見做されて、 (a)については問われなかったと見ます。

(2)PTの滞在許可証では芸術•文化に関わる職種の範囲内であれば専門に関わらず就業可能と言う意味なのでしょうか?

ピアニスト(ダンサー)がレッスン教師もすればコンサート(舞台)でも演奏(演舞)する。美術作家が一方では創作して個展やグループ展を開催する、他方では美術校や画塾での指導講師をする、といった範囲ではないでしょうか。そう理解しておけばよいのではないでしょうか。

なお、(1)については、もう少し入り組んだ事情が背景にありますが、ブログでは説明しきれません。説明を省略しています。
さらに詳しく、であれば相談室をご利用ください。

定期相談室 毎月 第二木曜日、第四火曜日 要予約 01 4723 3358

2018年8月24日  相談室  岡本宏嗣

ビジタービザを取得して,1年間,来年の3月までフランスにいます。その間,数回滞在場所を変えるのですが,申請は必要なのでしょうか。

質問。ビジタービザを取得して,1年間,来年の3月までフランスにいます。その間,数回滞在場所を変えるのですが,申請は必要なのでしょうか。

お答え・見立て。
必要ないようです。2016年10月28日付政令(DECRET)で「1年以上の
複(多)数年(PLURIANNUELLE)滞在許可証の所持者は、移転してから3か月以内に
PREFECTUREに届け出ること」とされています(CESEDA R321-8)。
質問者はVISITEUR VISAとあります。推測するに1年間のVLS-TS(滞在許可証に準ずる長期滞在VISA)の所持ではないでしょうか。そして、更新はせずに帰国するようです。
届け出の必要はない、と見ます。

2018年8月8日  相談室  岡本宏嗣

報告と質問です。PLです。5年滞在でCARTE DE RESIDENTを取得しましたが、、、

報告。パリ在住です。長期に学生滞在をしていましが、日本へ一時帰国してコンペタンス・エ・タランのビザを取得して2013年に再入国しました。
プレフェクチュールで滞在許可証を申請したところ、PLとされました。
毎年更新して満5年間となったので、今回CARTE DE RESIDENTを申請し、無事に発行されました。以上は報告です。

質問。
この5年間、収入を下げないように、かなり無理をして社会保障費、所得税を支払ってきました。
今後は、社会保障費、所得税の支払いに無理をしなくてもよい、と聞いていますが、
大丈夫でしょうか。年金支給額が下がるので、現状維持がよいとも聞きます。
このあたりのアドバイスをお願いします。未婚で子供はいません。

まず、貴重な体験報告にお礼します。よく頑張りましたね。努力家ですね。CARTE DE RESIDENT(CDR)取得に敬意を表します。
2013年にCOMPETENCES ET TALENTS(C&T/3年もの) VISAを取得して再渡仏したにもかかわらず、PL(1年もの)にされたとあります。2013年当時にはそうした「格下げ」が頻繁に起こっていました。「C&Tではない、SALARIEです」とされた例も
複数知っています。そして2016年3月法で削除され、同年10月で廃止になりました。
結果的にはよかったのではないでしょうか。毎年更新方式に「格下げ」されたことが、 5年の最短時間でCDRが取得できた、と見ることもできます。

ここで話しがそれます。C&TからCDRを取得した実例は「当相談室では」1件のみです。1回更新した上でのCDR取得ですから6年を所要しています。
C&T3年を消化した時点で、C&T の更新ではなくVIE PRIVEE  ET FAMILIALEに
切り替えたケースもありました。フランス国籍者とのPACSを交わしたケースだった
と記憶しています。
2年後に「C&T滞在3年+PACS滞在2年=合計5年」となったのでCDRを申請したところ、「C&T滞在3年はカウントしない、PACS滞在で5年が必要」とされてCDRは発行
されませんでした。「そんな法規定はない」ということで弁護士経由で動いたことでしたC&Tにはまだまだマイナーな話しがありますが、、。
こうしたC&T物語を回想しますと、報告者のケースはむしろ幸運といいたいところです。

次に「質問」です。年金との関係も含まれているので複雑です。ここでは控えます。 
相談室をご利用ください。
毎月 第二木曜日、第四火曜日 要予約 TEL 01 4723 3358
8月は変則で、第四火曜日のみです。
 
貴重な報告に重ねて深謝して。

2018年8月7日  相談室  岡本 宏嗣

「フランス/パリ滞在質問箱」に時折割り込んで掲載(第15回)  私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第15章)

「フランス/パリ滞在質問箱」に時折割り込んで掲載(第15回) 
私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第15章)

「暗記もの」

前章14章で触れた「プレパ」については、もう少し書留めておきたいことがありますが、今回は小休止。後章送りとします。

還暦を控えた時期から、暗記ものに凝りだしました。老化呆けへのささやかな抵抗です。
まず、手始めにパリ・メトロ1号線から14号線の全駅を暗記しました。次いで、RER (Réseau Express Régional、首都圏快速鉄道網)のA、B、 C、 D、 Eの5路線。一口にA号線といってもA1からA5まであります。B、 C、 D、E号線も然り。これをなんとか憶え、次はTRAMWAY(路面電車)T1からT4まで。通勤メトロの車内、就寝の際のベッド、、、などで折に触れてブツブツ唱えて憶えました。
交通網の暗記の次は、フランス本土(METROPOLITAINE)の95県(DEPARTEMENT)の県名です。パリの県番号が75であるように01から95までABC順に(一部変則はありますが)県名が並んでいます。
例えば、TVでの地方ニュースです。地方色豊かなイヴェントの紹介、8歳のイザベルが行方不明になり昼夜の捜索が行われている、山火事があった、洪水があった、、、、などの報道には、
それがどの県での出来事か、その県名がニュース画面に必ず入っています。
日本でも「OO県XX市からお伝えしました」があるのと同じことです。

「A」は01のAIN県から12のAVEYRON県までの12県、「B」はマルセイユを県庁所在地とする県番号13のBUCHES-DU-RHONE県のみ。Cは、、、と続けて覚えていきました。75のパリあたりまでなんとか漕ぎ着けましたが、このあたりから、苦しくなってきました。
ABC順に01から95まで暗記しても、その県が「HEXAGONE(六角形))フランス」のどの当たりに位置するのかが分からないのです。
例えば、02のAISNE(エン)県です。県庁所在地はLAON(ラン).これは分かります。パリに漂着した40年ほど前、何でも見てやろうに燃えていた初期、REIMS(ランス)の大聖堂を拝観し、その足でLAON(ラン)の大聖堂にも回りました。「あの辺りだな」の見当が付きます。
ところが、01のAIN(エン)県になるとお手上げです。東か西か、北か南か。     HEXAGONE(六角形)のどの辺りなのか、見当が付きません。息子たちとVACANCESを過ごした、旅行に行った地域はだいたい分かりますが、95県の中で訪問した県の数は知れたものです。
そこで方針転換、22のREGION(地方圏)別に憶えることにしました。(注1)
Aは、ALSACE(アルザス地方、2県)、AQUITAINE(アキテーヌ地方、5県)、AUVERGNE(オーヴェルニュ地方,4県)といった具合にです。
この方式で暗記していくと、どの辺りかの見当がつきます。前出の01AIN県はRHONES-ALPES(ローヌ・アルプ(ス)地方、8県)。8県の中の一県にあるのでした。
こうして、95全県、その県庁所在地をほぼ完璧に憶えました。

(注1)2015-2016年に22のREGION(地方圏)が13のREGION(地方圏)に統合されましたがいささかの影響もありません。例えば。CHAMPAGNE-ARDENNE(シャンパ―ニュ・アルデンヌ地方 4県)、ALSACE(アルザス地方、2県)、LORRAINE(ロレーヌ地方、4県)が統合されてGRAND EST(グラン(デ)エスト地方、10県)に統合されました。こういうことですから、暗記内容はそのまま有効です。変更、修正は生じていません。

こんな暗記ゲームを楽しんでいた時期のことです。こんなハナシが耳に入ってきました。
INALCOの日本語学科だったか、パリ第7大学日本語学科だったか、日本人関係者から耳にしたことです。「日本地理論」でのテスト問題でのことです。(注2)
日本列島の白地図が記されている。白地図には河川だけがチョロチョロとひげ線で書かれている。その河川の名前を書きなさい。
「こんな問題に何の意味があるのか。北海道は石狩川しか知らないし、あとは利根川、信濃川くらい。それをフランス人学生にやらせて、、。まったく無意味な問題」とその関係者は嘆くのでした。
出題は日本地理学専攻のフランス人講師。必修科目か選択科目かは知りません。
これは、暗記ものといってよいでしょう。河川名を暗記していなければ答えようがありません。おそらく、複数の出題があって、その一つだとは思いますが、その日本人の関係者と
同様、僕もこのテスト出題は奇異に感じたものでした。

以下の3つのテーマから一つを選んで論述しなさい。
(1)日本の気候風土の特徴について。
(2)日本の森林率は約70%で世界第三位であることについて。
(3)地震、台風などの風水害と日本人のメンタリティについて。

僕が勝手にイメージする日本地理論でのフランス的問題はこんなところでしょうか。
試験での論述は大きく正面から振ったテーマが選ばれる、そういう印象をもっていました。

(注2)INALCOイナルコの正式名はINSTITUT  NATIONAL DES LANGUES ET CIVILISATIONS  ORIENTALES・国立東洋言語・文化研究所。LANGUES ’Oラングゾー
とも略称されています。


記憶を手繰ってみると、息子が学校の勉強で暗記ものをしていた光景は二つしか覚えていません(よく観察していなかったこともありますが)。いずれも小学校(5年制)高学年、あるいは中学校(4年制)の時期だったでしょう。
一つはフランス古典詩の暗唱テスト。これは第13章に記しました。                  もう一つは、教科は歴史(HISTOIRE)、学習テーマは「フランス革命」。フランス革命暦の暗記です。
VENDEMIAIRE(ヴァンデミエール・ぶどう月)とかGERMINAL(ジェルミナル・芽月)とかTHERMIDOR(テルミドール・熱月)とかの革命暦です。
はるか昔、僕の学生時代、マルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」は、準必読書の一つでした。結局は読みませんでしたが、「ブリュメール」はよく覚えています。
エミール・ゾラには「ジェルミナル」があり、これも読んではいないのですが、
同名の映画は観ています。GERARD DEPARDIEU(ジェラール・デパルデュ)、RENAUD
(ルノォ)、MIOU-MIOU(ミウ・ミウ)の出演。監督はCLAUDE BERRI(クロード・べリ)。
革命暦は西暦とは全く異なっているので、暗記するしかないでしょう。

僕「革命暦を暗記しているのか。どれどれ見せてごらん」。
次男が手にしていたノートを取り上げた記憶があります。
次男「(日本人の)お父さんには関係ないだろう」とちょっぴり反発した顔があったように見えましたが、次いで、
次男「(テストには)出ないと思うけど一応、憶えておかないと」。
僕「HISTOIRE (歴史)での暗記ものはテスト向きではなさそうだけど、まあ、しっかり覚えておきなさい」

こんな記憶の断片から20年は経っていた時期です。
酔狂にもフランスの95県全県名を暗記したり、「日本地理論」での河川名テストを(ナンセンス)と憤慨していた時期、5-6年前のことだったでしょう。
既に社会人になり、フランス国外で職を得ている次男坊が久々に帰省した時のことです。
「フランスの95県の名前、CHEF-LIEU(県庁所在地)を完全に憶えたよ」と自慢したのでした。
次男坊いわく「フランスの県の名前は、ほとんどが川の名前だよ。FLEUVE,かRIVIEREの名前だよ」
一瞬、ゴツンと頭を殴られたような衝撃を受けました。瞬時に口に出のは、
「モンペリエ(MONTPELLIER)のあるエロォ(HERAULT)も川の名前かね?」
「川の名前だよ。忘れたの? 駅前から市民バスに乗って鍾乳洞に行ったでしょ。
ゴルジュ・エロォ(GORGES DE L’HERAULTエロォ峡谷)の鍾乳洞。
それから、PONT DU DIABLE(悪魔橋)の上から僕の虫歯を投げたでしょ。
あれがエロォ(HERAULT)川」。
そうでした、そうでした。歯医者で引っこ抜かれた虫歯を母親がお守りのように保存していたのを、PONT DU DIABLE(悪魔橋)からエロォ(HERAULT)川に投げ捨てたのでした。
さよなら、虫歯クン。一種の儀式でした。

指摘されてみれば誠にその通り。県名のほとんどにその県を流れる河川名が付いています。
SEINE(セーヌ)が付く県は4県。
SEINE-MARITIME(セーヌ・マリティム)県、県庁所在地はROUEN(ルーアン)。
SEINE -ET-MARNE(セーヌ・エ・マルヌ)県、同MELUN(ムラン)。
HAUTS-DE-SEINE(オー・ド・セーヌ)県、同NANTERRE(ナンテール)。
SEINE-ST-DENIS(セーヌ・サン・ドニ)県、同BOBIGNY(ボビニー)。
もう一つ、よく知られた河川にロワールがあります。
LOIRE(ロワール)はFLEUVE(海に注ぐ大河)。6県。
LOIR(ロワール)はRIVIERE(川、支流)。LOIRが付く県は2県。
2県とも、もう一つの川が流れています。EURE ET LOIR(ユール・エ・ロワール)県。CHARTRES(シャルトル)が県庁所在地。LOIR ET CHER(ロワール・エ・シェール)県。BLOIS(ブロワ)が県庁所在地。

長男はNANCY(ナンシー)のGRANDE ECOLE( D’INGENIEURE)を卒業しました。NANCY(ナンシー)はMEURTHE-ET―MOSELLE(ムルト・エ・モゼル)県の県庁所在地です。ムルト川とモゼル川が流れているのでしょう。
次男はSTRASBOURG(ストラスブール)のGRANDE ECOLE( D’INGENIEURE)でした。BAS-RHIN(バ・ラン)県です。日本語にすれば「下ライン河」県でしょう。
隣県HAUT-RHIN(オー・ラン)のCOLMAR(コルマール)にアルザス成城学園
がありました。HAUT-RHIN(オー・ラン)は「上ライン河」県でしょう。

「フランスの県の名前は、ほとんどが川の名前だよ。FLEUVE,かRIVIEREの名前だよ」
この指摘で思い出したことがあります。
HEXAGONE(六角形))のフランス地形定規です。2定規で一組み。一つは、95県とCHEF-LIEU,(県庁所在市)を配置したもの。もう一つは、河川のみを配置した定規です。
息子たちは小・中学期にこの定規を使っていたことを思い出したのです。
折に触れて家宅捜査したのですが出て来ません。スーパーの文具コーナーにもありません。SAINT MICHEL(サン・ミッシェル)の書籍・文具専門店GIBERT JEUNE(ジベール・ジュンヌ)で見つけることができました。2定規一セットで8ユーロぐらいでしたか。今、手元には2セットあります。
もう一つ。前述の「日本地理論」でのテスト問題です。
日本列島の白地図に河川がチョロチョロとひげ線で書かれている。「その河川名を書きなさい。」
この出題の「謎(?)」も解けたのでした。

2018年8月7日  記    岡本 宏嗣
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