学生です。アルバイト先の会社から所得申告するようにいわれました。地区の税務所にいったら学生は申告しないでよいといわれました。近い将来、

質問。学生です。アルバイト先の会社から所得申告するようにいわれました。地区の税務所にいったら学生は申告しないでよいといわれました。近い将来、学生から職業者に滞在身分を変更する場合、申告していた方がよいと聞きました。対策があれば、ご教示ください・。

お答え・見立て。
「税務所にいったら学生は申告しないでよいといわれました」はよくあることです。
申告しても所得税が発生することはほとんどなく、事務処理の手間だけはかかるので
税務局窓口の対応が「申告しなくてよい」になりがちなのでしょう。
「時期外れ」の質問なので、所得申告(DECLARATION DE REVENU)のスケジュールから始めます。
2016年1月1日―12月31日の1年間の収入を翌年2017年5月17日までに申告する
(ネット申告は6月6日締め切り)というスケジュールでした。質問者が現時点(2017年11月中旬)で税務局に「申告したいのですが」と申し出たとしたら「事務処理の手間」
+「時期外れによる面倒」も加わるので「申告しなくてよい」になったのでしょう。
なお、当相談室は申告締め切り5月中旬に先立つ5月初旬に毎年「所得申告説明会」を開いています(今年度は2017年5月6日に開きました)。
以上の税務スケジュールは、2017年度所得申告(申告締め切りは2018年5月中旬)にも当てはまると見ておいてください。

話しを戻します。
(1)学生は、
①25歳まで。
②26歳以上。
とで、税務規定が異なります。2016年度の所得(申告は翌年2017年5月中旬締め切り)
が発生する2016年1月1日時点で、当人の生年月日から①もしくは②が確定します。同じく、2017年度についても2017年1月1日―12月31日の1年間の収入を2018年5月中旬締め切りで申告するこpとになります。年齢の確定は2017年度の所得(申告は翌年2018年5月中旬)が発生する2017年1月1日時点です。

③25歳までの学生(上述①)は年間の給与収入から上限でSMICの3か月分(2016年度は4400ユーロ)を差し引いて申告することができます。

④26歳以上(上述②)は社会人と同じ取り扱いになります。

⑤申告する数字は、BRUT(額面給与)でもNET(手取り給与)でもなく、NET IMPOSABLE(課税対象額)の数字です。BRUT(額面給与)よりは低い数字で、NET(手取り給与)とほぼ同じ、あるいはNET(手取り給与)よりやや高めになるケースもあります。NET IMPOSABLE(課税対象額)はFICHE DE PAYE(給与明細)に記されています。またCUMULATION(累計)数字も記されています。例えば2017年10月のFICHE DE PAYE(給与明細)には、当月10月給与のNET IMPOSABLE(課税対象額)、2017年1月―10月の累計数字の双方が記されています。つまり、2017年12月のFICHE DE PAYE(給与明細)には、2017年1月―12月の1年間のNET IMPOSABLE(課税対象額)の累計数字が記されていることになります。給与を支払った雇用者(実務は会計セクションです)は、2018年1月末日締め切りで税務局/社会保障局(URSSAF)に2017年度の数字を申告しています。「アルバイト先の会社から所得申告するように言われました」は「こちら(会社)はキチンと申告しているので、あなたもキチンと申告してください」ということでしょう。
再三触れているように、当人は翌年5月中旬に同じ数字を申告することになります。

⑥単身者(独身、離婚、死別)は、年間NET IMPOSABLE(課税対象額)の数字が14771ユーロ以下の場合は所得税はゼロです。
以上が、「学生アルバイト収入」と「所得申告・所得税」の基本です。

質問者のアルバイト収入額は分かりません。26歳以下の場合。4400ユーロを差し引いたらほとんど収入数字は残らない。26歳以上の場合。年間のNET IMPOSABLE(課税対象額)が14771ユーロを大幅に下回る。そうしたアルバイト収入数字であれば「所得税はゼロ」ですから、税務局窓口の対応も「所得税ゼロのために申告する必要はない」になりがちです。

(2)「近い将来、学生から職業者に身分変更する場合、申告していた方がよい」について。よいと思います。

(3)対策はないでしょうか。
質問文から、税務局の窓口で「学生さんは申告不要」の門前払いなったと推測します。申告用紙を渡してくれなかった、あるいは用紙は別途に入手して、記入済のものを受け取ってくれなかった、のどちらかでしょう。いずれにしても、時期外れの申告は避けた方がよいかもしれません。放置されてラチが明かないリスクがあります。「申告時期に合わせる」のが確実でしょう。ということは、2017年度の所得を2018年5月中旬に申告します。2018年の
4月中下旬にはネットで申告用紙2042がプリントできるハズです。この申告で2017年度の所得を確定させましょう。具体的にはAVIS D’IMPOTが発行されます。税務番号なども与えられます。その後に「遡って2016年度の所得申告も、、」と進めためた方が確実でしょう。もちろん、学生ではあるものの、近い将来を見据えてキチンと所得申告はしておきたいという意思がある場合です。
なお、申告用紙には様々な記入項目があるので、記入欄を間違えないように。所得申告でのトラブルのほとんどは記入欄の間違えです。

2017年11月15日  相談室  担当  岡本宏嗣
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「フランス/パリ滞在質問箱」に時折割り込んで掲載(第12回)  私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第12章)

「フランス/パリ滞在質問箱」に時折割り込んで掲載(第12回) 
私書函版「フランス/パリ・子育て雑記」(第12章)

グランゼコール(GRANDES ECOLES)は通称であって、教育法には存在していない

グランゼコール(GRANDES ECOLES、単数ではグランデコ―ルGRANDE ECOLE)を学校・
教育制度から見ておきます。ある信頼すべきサイトには、
Il n'existe aucune définition ni liste officielle des grandes écoles. Les textes législatifs et réglementaires font principalement référence aux grandes écoles au travers des "classes préparatoires aux grandes écoles" et de la Conférence des grandes écoles. Le terme grande école n'est pas employé dans le Code de l'éducation、、、(以下略)

学校教育法やその関連法に「グランゼコ―ル」の定義はない、とあります。定義のない存在です。「グランゼコ―ル」が顔をのぞかせるのは「グランゼコール受験のための準備クラス」(注①)、「グランゼコール評議会」(注②)などを通してです。「グランゼコ―ル」という言葉は、学校教育法(CODE DE L’EDUCATION)では使用されていません。

以上がこのフランス語文の要旨です。

(注①)classes préparatoires aux grandes écoles(CPGE)は、当ブログ「子育て雑記第10章(第10回)」でも少々触れました。通称プレパ(PREPA()。 後章で詳述します。
(注②)Conférence des grandes écoles「グランゼコール評議会」は、この章の後段で触れます。
                 
                             *
 別のサイトにはこうあります。
Une grande école est, selon le ministère de l'Éducation nationale français, un « établissement d’enseignement supérieur qui recrute ses élèves par concours et assure des formations de haut niveau » et se trouve sous la tutelle d'un ministère

フランス教育省よれば、グランデコ―ル(GRANDE ECOLE)は、
1.高等教育機関であり、2.選抜試験(CONCOURS)(注③)によって生徒が募集され、
3.高い水準の教育が与えられ、4.担当省の管理保護下(注④)にある学校。こうなります。

(注③)CONCOURS(コンクール)については前回11章(11回)で触れました。CONCOURS(コンクール)は、フランス語。定員数、定席数を競う選抜試験のこと。
(注④)グランデコ―ル(GRANDE ECOLE)の頂点とされているECOLE POLYTECHNIQUE(エコール・ポリテクニック/1794年創立)は、国防省(MINISTERE DE LA DEFENSE)の管理保護下 (TUTELLE)にあります。ポリテクよりさらに古い1747年創立のECOLE NATIONALE DES PONTS ET CHAUSSEES(エコール・ナショナル・デ・ポン・エ・ショッセ)は環境整備・エネルギー省(略称 MINISTERE DE L’ECOLOGIE)が管理保護(TUTELLE)担当省です。ポンは橋、ショッセは堤防・車道の意。国立土木学校です。

以上から、グランゼコール(GRANDES ECOLES)は、教育法、学校法での存在ではないということです。日本でいう一流校、名門校、難関校のレッテルに近いともいえそうです。日本でのこれらの学校は、世評、予備校や学習塾での評価、入試の偏差値、難易度などからそうしたレッテルを貼られているもので、法的な裏付けはないでしょう。
                        
                              *

グランゼコール(GRANDES ECOLES)を2つのリストから実体として見ていきます。
(1)Conférence des grandes écoles(略称CGE)グランゼコール評議会」という組織があります。
このCGEの登録メンバー校であることです。CGEのメンバー校リストを整理しますと、
 ECOLE D’INGENIEUR (技術系グランゼコール)    167 校
 ECOLE DE COMMERCE / MANAGEMENT        46 校
(商業系・マネージメント系グランゼコール)
 その他(各種の芸術系、建築、教員養成など)       13 校
 フランス国外のグランゼコール                 13  校
  
合計                               239 校

例えば、先述したECOLE POLYTECHNIQUE(エコール・ポリテクニック、ECOLE NATIONALE DES PONTS ET CHAUSSEES(エコール・ナショナル・ゼ・ポン・エ・ショッセ)は、ECOLE D’INGENIEUR (技術系グランゼコール)です。
現大統領エマヌエル・マクロン(EMANNUEL MACRON)さんがコンクールに2度失敗したのはECOLE NORMALE SUPERIEURE(略称ENS)です。パリ校、パリ近郊校、リヨン校の3校があります。
1794創立のパリ校はパリ5区RUE D’ ULMにあることから、ENS ULM、 NORMALE SUP ULM あるいはULMだけでも通っています。マクロンさんが2度入試に失敗したのはULMです。ENS3校は、「その他」枠の「教員養成グラゼコール」でしょう。
同じく、マクロンさんが卒業したENA ( ECOLE NATIONALE D’ADMINISTRATION )=国立行政学院と訳されていますが=はマネージメント系に分類されています。
マクロンさんはIEP DE PARISでも学んでいます。IEPはINSTITUT D’ETUDES POLITIQUES、通称はSCIENCES PO(シアンスポ)です。シアンスポ・パリは「パリ政治学院」と訳されているようです。
IEPは、パリの他にもボルドー(BORDEAUX)、グルノーブル(GRENOBLE)、リール(LILLE)、リヨン(LYON)にもあります。シアンスポ・ボルドー(グルノーブル、リール、リヨン)が通称。CGEのメンバー・リストではマネージメント系に分類。

(2)もう一つ、リストがあります。ECOLE D’INGENIEUR (技術系グランゼコール)についてだけですが、「INGENIEUR(アンジェ二ユール)のDIPLOME(ディプロム・資格証書)を発行できる学校リスト」に載っていること。
これは、第11章(第11回)でも触れました。
JOURNAL OFFICIEL(政府公報、官報)に校名が発表されています。最近では2017年1月26日付け管轄省(TUTELLE DE MINISTERE)令として発表されています。

CONFERENCE DES GRANDES ECOLES(CFE)のメンバー・リストにあるECOLE D’INGENIEUR
と管轄省(TUTELLE DE MINISTERE)令上のECOLE D’INGENIEURリストはほぼ一致すると見ていますが、170校近くあるので、両リストの照合はしていません。

以上のことから、グランゼコールと総称される学校群の内訳は、ECOLE D’INGENIEURが圧倒的に多いということです。ECOLE D’INGENIEURは、技術系、工学系の専門学校です。機械、電気、通信、化学、情報処理、土木建設、地質・資源、航空、先端技術、精密機器、天候、環境、地理・地勢、農業・食品、、、、など専門分野別に網羅されています。日本の大学の工学部、理学部などの各専攻学科を独立させた学校といえましょう。そして国立の学校は、ECOLE NATIONALE(SUPERIEUR) DE XXXXXと称しています。私立(PRIVE)はNATIONALEが付かないでECOLE SUPERIEUR DE XXXXX の校名になります。 XXXXXの箇所にELECTRICITE(電気)、TELECOMUNICATION(通信)、CHIMIE(化学) などの専門分野名が入ります。                          
                            *

ところで、プレパ(前出の注①)の先生たちの見解によりますと、
「歴史的にみれば、ECOLE D’INGENIEURは、ナポレオン三世治下(1850年代-60年代)で急増した。ソルボンヌでの神学や哲学など形而上学からは何も生まれない。座学ではなく実学こそが国力を生む。ECOLE D’INGENIEURは実学の学校。こういう見解です」。
なるほど、と思ったものです。
通説では、ナポレオン三世は、パリを大改造し、金融機関を整備し、鉄道を敷設し、対外政策ではアフリカ・アジア地域で植民地を拡大した、、など富国強兵政策を敷いた皇帝とされていますから、
多分野の技術専門学校の設置を奨励し推進したということになるのでしょう。
それを確認しようと、「フランスの技術教育の歴史」(注⑤)という本をめくってみたのですが、同著には、ナポレオン三世治下にそうしたことがあったという記述はありません。現在に続く伝統があるECOLE D’INGENIEUR、あるいはその前身となる諸校が、この期に集中して設立された事実は見当たりません。もっともらしい説明ですが、虚説といいますか歴史漫談といいますか。
 
(注⑤)Antoine LEON HISTOIRE DE L’EDUCATION TECHNIQUE 1961 Que sais je  
日本語訳 「フランスの技術教育の歴史」 もののべ・たかあき訳 白水社・クセジュ文庫
 
                            *

以上のような情報は、現在ではインターネットで得られます。
これらの総称グランゼコールに、どういう道程、道筋を経て進むのか。
ここに「グランゼコール入学試験のための準備クラス」(classes préparatoires aux grandes écoles(CPGE)、通称プレパが登場します。日本の予備校とは全く異なる性質のものです。
後章で触れていきましょう。



2017年11月15日  記    岡本宏嗣

家族ビザ以外の労働許可付き滞在許可証を持つ女性が出産した場合、収入ダウンはどう扱われるのですか。

質問。労働許可付き滞在許可証の更新には年収が関係してくるのは周知のことですが、家族ビザでない労働許可付き滞在許可証(サラリエ、プロリベなど)を持つ女性が出産した場合はどうなるのでしょうか。
おそらく、出産した年は考慮されるでしょうが、子供が手のかかるうち(例えば2〜3年)は少し抑え目で仕事をしたとすると、その分収入は下がります。この場合は更新時に問題になるのでしょうか。特にプロリベの場合は産休(手当)も育休もありませんので、下手をしたら、ほぼ収入無しになることだってあり得るかもしれません。
女性が家族ビザを持っているケースか多いので、逆のパターンを聞いたことなく気になっていました。特に自分がそのような状況にあるわけではないのですが、ご回答頂けたらありがたいです。

お答え・見立て。
外国人滞在許可管理法(CESEDA)の法改定が実施されていますので、それを念頭に置きながら見る必要がありそうです。その前に用語を整理します。質問者Aさんが
(1)「家族ビザ」と呼んでいるものは、正確には①滞在許可証VIE PRIVEE ET FAMILIALE(VPF)です。同じく、

(2)「家族ビザ以外の労働許可付き滞在許可証」とは、②滞在許可証SALARIE(E)、 ③滞在許可証PROFESSION LIBERALE(PL)
です。

(3)2016年3月、同年10月の同法改定と施行令(DECRET)の適用で、②③とも「4年を上限とするCARTE DE SEJOUR PLURIANNUELLE(複数年滞在許可証)」が発行されています。また、③はENTREPRENEUR/PROFESSION LIBERALE(4年上限)という滞在許可証に名称が変わっています。

  以上のような滞在許可証発行の事情変更があります。ここではAさんが心配されているプロリベことPL滞在許可証(現在は
ENTREPRENEUR/PROFESSION LIBERALE)で見てみましょう。

(4)単年もの(1年もの)のPL滞在竿許可証を更新する際に「前年度は出産と育児に追われ、大幅に収入がダウンした」という理由で、滞在許可証が更新されない、はあり得ないでしょう。
「4年を上限とする滞在許可証ENTREPRENEUR/PROFESSION LIBERALE」が上限の「4年もの」ではなく、それ以下の年数もの(2年ものとかの)にとどまることもないと断言はできませんが、可能性は低いと見ます。CARTE DE SEJOUR PLURIANNUELLE(複数年滞在許可証)」の発行は、スタートして日が浅いことがあります。これまでに「4年ものが出ました」の報告は無数に飛び込んでいますが「4年以下のものにとどまりました」の報告は皆無です。
 今のところ、例外の報告事例が一つだけあります。「すでに4年滞在を経ているので、ここで4年ものをもらってしまうと、10年カード申請・取得が4年後になってしまいます。それで、これまで通りに1年ものにしてくださいと主張しところ、その旨の一筆を書くようにといわれました」。                       

(5)4年ものの滞在許可証ENTREPRENEUR/PROFESSION LIBERALEが出た場合です。CARTE DE SEJOUR PLURIANNUELLE(複数年滞在許可証)」の発行は始まったばかりです。4年後の更新事例、10年カードの申請事例は出ていません。
過去4年間のPLとしての滞在実績がどこまで問われるのかが見えません。過去4年間に出産や育児で十分な収入がない年度があった場合、それがどう評価されるのかわかりません。既婚の場合はもう一方の配偶者の収入との兼ね合いになりましょうが、シングルマザーの場合はどういう評価になるのでしょうか。

 出産・育児期を経て教育期に入ろうという子ども持っている場合、滞在許可証の発行には寛大であるのが通例ですが、一方には厳しい見方がないでもありません。
CRECHE(クレッシュ、託児施設)は整備されている、手当支給もある。母親はこれらの制度によって本来の職業活動に安心して従事できるハズである。これら保障制度にあぐらをかいてはいけません。
 
 いずれにしても、子育てをしてフランスの教育を受けさせたい、の意思を持っている限り「自国にお帰りください」はないでしょう。
 外国人排除、移民排斥の大きなうねりが起こって、MARINE LE PENさんが大統領になれば別ですが。

  2017年11月8日 滞在相談室  岡本宏嗣



パリ在住、VISITEUR滞在です。2018年初頭の次回の更新時に10年カードを申請する予定です。昨秋の法改定後、VISITEUR滞在者に10年カードが発行された例をご存知でしょうか。

質問。パリ在住、VISITEUR滞在です。2018年の次回の更新時に10年カードを申請する予定です。
昨秋の法改定後、VISITEUR滞在者に10年カードが発行された例をご存知でしょうか。
VISITEUR滞在には、複数年滞在許可証は発行されない、という情報が聞こえてくるので不安です。また、健康保険はVISITEUR滞在者向けのフランスの民間保険に加入していますが、SECUでなくともよいのでしょうか。

お答え・見立て。

昨秋の法改定後、VISITEUR滞在者でCARTE DE RESIDENT(CDR、通称10年カード)を取得した実例は出ています。
パリのPREFECTUREでは、過去5年間の5枚のAVIS D’IMPOT(所得・所得税証明/以下AVIS)の提示が必要です。この実例のケースでは時期的に極近の5年目=5枚目(*)のAVISが提示できないので、その代わりに提出済のDECLARATION DE REVENU(所得申告書)のコピーを提示することにしました。「このように前年度とほぼ同じ数字を申告していますので、所得税額もほぼ同じです」の証明にはなります。事実、それでパスしました。

次に、質問文の末尾にあるASSURANCE MALADIE(健康保険)については、SECUのASSURANCE MALADIE(健康保険)ではなく、フランスの民間保険加入証明を提示してトラブルなくクリアーしています。

最後に「VISITEUR滞在には、複数年滞在許可証は発行されない」についてです。
複数年滞在許可証=CARTE DE SEJOUR PLURIANNUELLEは、4年を上限とする滞在許可証で、昨春の法改定で設置され、昨秋11月からスタートしていますが、VISITEUR滞在者は対象外とされているようです。今まで通り、1年ものの更新になりましょう。
ただし、「複数年滞在許可証の発行」規定と「CDR(10年カード)の発行」規定は別です。ご心配は無用でしょう。

(*)DECLARATION DE REVENU(所得申告)は、前年度1-12月の年間所得を翌年の5月中旬締め切り(インターネットでの申告は6月上旬締め切り)で申告します。この申告を済ませますと、税務局からAVIS が送付されてきます。送付されてくる時期は、8月中・下旬、9月にずれ込む地域もあるでしょう。従って、5月申告後の3-4か月間は、前年度のAVIS が未着、未入手状態になります。
SALARIE(給与所得者)やNON- SALARIE(非給与収入者)(例:PROFESSION LIBERALE(PL/自由職業者)の場合は、AVIS 以外に前年度所得を証明する方法がありますが、現地収入のない(得られない)VISITEUR滞在者は、年1回の所得申告(それも自己申告です)によるAVISしかありません。
そして、この時期には5年目=5枚目のAVISが提示できないことになります。
そこで、5年目=5枚目は、申告用紙のコピーを提出して「このように5月に所得申告済です。申告額も前年度とほぼ同じですから、税額もほぼ同じでしょう」という立証方法があります。
それが採用されることもあれば、過去4年=4枚のAVIS提出でよい、とされることもあります、
以上は、5月申告以降~AVISが発行される以前の「AVIS 未着、未入手」期間の対処法です。
一方、1-4月期は前年度の所得申告が未申告の期間に当たります。これには「来る5月締め切りの申告にはこういう数字を申告の予定です」の一筆を提示する方法があります。これも採用されることもあれば、過去4年=4枚のAVIS提出でよい、とされることもあります。

2017年11月4日  滞在相談室  担当  岡本宏嗣

APS(AUTORISATION PROVISOIRE DE SEJOUR)の申請が却下されたのですが、、。

質問。先日学生からAPSの申請中の件について質問した者です。今週プリフェクチュールに出向いて進行状況を尋ねたところ、申請は却下されたとの事でした。却下理由は何となく納得のいったものだったので、これは受け入れます。
その上で2点質問があります。
1.  前回の質問にも書いたのですが、APSの申請中、学生滞在許可証が切れた状態で数日サラリエとして働いてしまいました。この場合、APS却下を受けてどの様に対処したら良いのでしょうか。
2. 既に学生滞在許可証は期限切れの状態ですが、PLへのchangement de statutを申し出る事は可能なのでしょうか。滞在許可書が期限切れなのでプリフェクチュールでAPS申請却下の証明が欲しい、と訴えたところ、学生滞在許可証の更新のRV(5月)のconvocationを出してくれました。恐らくこれが現在の滞在を保証してくれると思うのですが...。担当者には、RVの日までに、もしCDIの契約を貰えればここに出向いて申請できる、と言われましたが、実際はどうかわかりません。
込み入った質問で恐縮ですが、何かアドバイスを頂けたら幸いです。

お答え・見立て。                               

MASTERのDIPLOME取得者でAPS申請が却下されたケースは、当室では初めてです。 「却下理由は何となく納得のいったものだった」とありますから、この点は深追いしないで おきましょう。

1.数日働いた後に、あわててストップしたのであれば、BONNE FOI(誠実)の範囲ではないでしょうか。数日のフライングでトラブルが発生するとは思いません。何か特別の事情があるのでしょうか。過去に、年間上限964時間労働をオーバーして注意を受けたことがある、それが記録として残っているので前科あり、再犯になってしまう、とか。「どの様に対処したらよいのでしょうか」ですが、手続きとしては何もないでしょう。何らかの局面でそれを指摘されたら「うっかりしていました。すぐストップしました。ゴメンナサイ」しかないでしょう。

2.「PLへのchangement de statutを申し出る事は可能なのでしょうか」ですが、トライしてみるしかありません。こうした変則型に可・不可の規定はないでしょう。「学生滞在許可証の更新のRV(5月)をもらっていますが、学生滞在許可証の更新ではなくPLに変更したいのでRVをとり直したい」とかけあってみたらいかがでしょうか。同時にPLにchangement de statutする場合の要件もよく調べて行動してください。

2017年10月28日  滞在相談室  岡本宏嗣
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